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柊side



柊「ん…寝てたのか…俺」


Aの後ろでせっせと絵を描く彼女を見ていたら、どうやら寝ていたようで


柊「ブランケット…かけてくれたのか…」



自分がかけた記憶はないから、寝てる俺に気がついて、彼女がかけてくれたのだろう





まだゴソゴソと音がしているから、今は片付けをしているのか


なるべく音を立てないようにそっと近づくと、彼女は彼女専用のロッカーの中身を色々と見ているようだった



「それ…Aのなのか?」
「…はい」
「何が入ってるか聞いてもいいか?」
「…私の…本当に…大切なものです」





少し苦しそうに、でも優しい声でそう言っていた




3年間のクラス写真、賞状、景山との写真




思い出に浸っているのか、思い出して苦しんでいるのか、俺にはわからない


けれど目を閉じたまま、何かを思い出している彼女にそっと声をかけると、案の定飛び上がって驚かれた



でも、俺にはずっと疑問だった

なぜ学校にわざわざ置くのか



…彼女の物はよく無くなった

隠されていた、捨てられていた、と言う方が正しいのだろう


それでも彼女はここに何かを置いていた





「学校に…あるからこそ…私は…頑張れる気がするんです…

お守り…?みたいな感じです…」


柊「…そうか」



呟くように、囁くように、小さな声でそう言った



…どれほど苦しめられても、彼女にとっては、それがお守りになるのか…




柊「…優しすぎるのも、困ったもんかな…」






彼女が描いていた絵を見る

写真を見て描いたものであるとはいえ、3時間弱で仕上げたものにしては、なかなかのクオリティだった



柊「…よく描けている」



そっと自分の指を下書きの線に沿わせる





写真の中の彼女も、絵の中の彼女も、景山との写真の中の彼女も、俺がいつも見かける彼女も





こわばったような、ぎこちない笑顔を浮かべていた

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sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時

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