[メリオダス]消えたもの２ (ページ34)

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☆65話☆ ページ34

貴女side

わけがわからず、素敵な笑顔のエリザベスに恐る恐る尋ねる

「あのエリザベス」

「はい」

「なぜにそんな怖いの」

「怖くないですよー？」

「怖い怖い！」

「ではこちらへ」

なぜだ。なぜ私たちはベッドの上なのに正座をしているんだ

私も私で彼女の後ろから出ているオーラに圧倒されたのだけど
だって怖いんだもん！

「どうしたんですか」と目で問いかけてくる彼女。きっと私が答えるまでなにも起こらない

言うしかないのか。焦りに焦って私は言う
詰まりなくさらっと言ってしまったのは、絶対間違いだと思う

「夜中に団長にキスしちゃいました」

「……へ？」

「…昨日の夜中に団長にキスしちゃいました」

チクタク時計の秒針が動く
それがちょうど３つ目を刻んだ時だった。短いはずなのに長い沈黙

それとは対照的に部屋中に響いた

「えぇぇぇぇぇ！？」

驚きを隠せない彼女の顔。その後もわたわたあわあわ慌てていて、3分くらいにかけて落ち着かせた

深呼吸深呼吸って背中を撫でればすぐ治る

「なぜそうなったんですか？」

「エリザベスが寝たあとに団長のとこ行って、少し話したんだよ」

「お話？」

「『団長は誰かに恋したことある？』って
それ聞いたら、「かもしれない」って言うのが「本当だ」ってわかったの

話すだけで恥ずかしい。思い出すだけでもどかしい
救いようがない

「なるほど……」

「なかなか、気づいてくれないから…つい勢いで…」

「キス…ですか」

エリザベスside

Aは大胆ですね

きっとメリオダス様、嬉しすぎて死んじゃってるかもです

「それでAは何に悩んで？」

「団長にどんな顔して会えばいいかな～って……団長に嫌われないかな～って……」

遠くを眺めて言う心配性の貴方
仕方がないことです。誰だって思いを告げた後は答えがどんなものかわからなくて不安になる

しかし、今はそんな悩みはありませんよ

メリオダス様はきっと、貴方が思うよりもっと色々考えてらっしゃる

「大丈夫ですよ。嫌うなんて、天変地異があってもありません」

「そうかな…」

「はいっ」

「……」

黙ってしまった彼女にふぅ、と息を吐きグイッとその手を握ってベッドから降

「っエリザベス！？」

「行きますよ！その目でメリオダス様が何をするか確かめましょう！」

階段をあと数段降りればすぐにわかる
大丈夫だってわかってもらえる

私ができることは終わりです
あとは貴方が歩くだけ