[メリオダス]消えたもの２ (ページ13)

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☆44話☆ ページ13

貴女side

“なんで？”

私の頭のなかにはこればかり。答えのない問いかけを続ける

なんで団長が応援されてるだけなのに、声援くらい当たり前なのに

それだけなのに

なんで【ここ】が痛むの？

「A…大丈夫？」

また心配かけちゃった。顔を覗き込んで不安そうな顔のエリザベスに罪悪感が生まれる

だから私は笑ってみせた

「うん。大丈夫……」

「嘘ですね」

だけどそれはあっさり気づかれた。真顔で即答されました

「それで、どうしましたか？」

「…あのさ」

本当に私は、エリザベスに弱い。自分でも驚くほどに見抜かれて、ポロリと本音がこぼれていく

「団長が知らない女の人に応援されてるの見たらね…【ここ】が痛むんだ。…なんでかな……」

自分の胸に手を当てて問いかける

エリザベスは何も言わない。何かを考えるそぶりを見せて唸る

しばらくして、彼女は私の瞳をじっと見つめて言った

「A、それはきっと

＿＿＿＿＿＿“恋”…かもですよ？」

「へ…？」

“恋”？

誰に？団長に？

ああだこうだとじっくり考える余裕は、どうやら神様はくれないらしい

「っ……！」

「？A？」

来る…

私が魔力を感じ取ったとき、団長とディアンヌの動きがピタリと止まった

「おいなにやってんだ！！」

「さっさと始めろ！！」

「茶番やってんじゃねぇ！」

周りの観客が野次を飛ばす
これから起きることも知らずに、いやもしくは計画通りなのか

そして始まる

「いいだろう。茶番は終わりだ」

団長は観客にそう言い放つ
強い風が私の髪をなびかせた