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理由その29 ページ29

「なあ悠、お前明からさま過ぎるで。」



「仕方ないやろ?
うちもキス一つでこんなになるなんて
想像してへんもん。」




謙也は悠を図書館ではなく
保健室へと連れて行った




ベットに悠を横にさせると
冷凍庫から冷えピタを取り出し
額に貼り付けた



「冷たい……」


「我慢や。
水分ちゃん取っておけよ。」




謙也はそれだけ言うと
保健室から出て行った



悠は布団を顔まで掛けた









「謙也、あいつどうしたんや?」



謙也がテニスコートへ戻ると
試合がすでに始まっており



謙也もすぐにコートに入るように言われ
準備体操をしてコートに入った




「ねえねえ、ちょっと聞きたいんだけどさ〜」


「何や?」


「白石ってなんであの子と付き合ってるわけ?」


「……さあな
俺があいつに聞きたいで。」




ラリーは続く
お互い分身しながらという
なんともシュールな試合を





「さて、次は誰と試合を……」



休憩を終えた不二がベンチから
立ち上がると、
フェンスの向こう側にいた人と目が会う




「どうしたの?
あ、そういうことか。
白石ー!」



「よ、呼ばんといて!」




こっそりと抜け出してい悠は
不二が白石を呼んだため
慌てふためく



呼ばれた白石は
フェンスの前まで寄ってきた




「なんや不二くん。」


「僕はお邪魔だから
行くとするよ。」




不二は悠にニコッと笑いかけると
ラケットを持ってコートへ入った




「ひどいわ不二くん……
あの笑みは悪魔の笑みや。」




沈黙が続く





お互い視線を合わさない
蝉の音が異様に大きく聞こえる




「小鳥遊、お前
顔色悪いで。」


「え?あ?
だ、大丈夫やで!」


「そうか…」



長い睫毛を伏せて
斜め下を向いてしまう




小鳥遊、お前やっぱ変やで
何で俺と視線を合わせへんのや?




フェンスの向こう側に
手を伸ばす




「たかな」



「白石!次、試合ばい。」




目も合わさずに振り返り
保健室への道を走っていく







ただその後ろ姿を
いつも見ているしかできない自分



拳を握り締め
小さな声で






「なんでこないな気持ちに
ならないといかへんのや。」




自分でもわからない
気持ちに腹がたつ

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設定タグ:テニスの王子様 , テニプリ , 白石蔵ノ介   
作品ジャンル:恋愛
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作者ホームページ:なし  作成日時:2015年7月10日 23時

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