【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#76 ページ30

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Chigasaki side.









「…これなんてギャルゲー？」







いつも通りの時間に起きて、いつも通りにベットから降りる。
すると、いつも通りではない光景が目の前に広がっていた。







「ゆ、由井さーん…」





『……。』





「起きる気配ゼロ、ですか。」






1週間前から寮を空けていた由井さんが、何故か床で寝ている。
それはもうぐっすりと。







「こうしてみると、ほんと可愛い顔してるんだよなぁ…。」







ワンピースに薄手のカーディガンを羽織り、メイクも落とさず寝落ちしてる由井さん。
今まで飲み会とかで寝落ちしてる女の人の寝顔は沢山見たことあるけど、それとはマジ月とすっぽんくらいの差があった。






でも目の下の隈はすごくて、顔色も悪い。
…仕方ないか。
どんな仕事してきたのかは知らないけど、由井さんはどんな時でも他の人には違う自分を演じてるから相当疲れたんだろう。






…すこしだけ、俺と似てるよね。由井さん。
自分の好きなことをする時間を守るために、優れた自分を偽っているところが。





由井さんが天才じゃないことくらい、ここにきて暫くしたらすぐわかったよ？







「今は…6:30かぁ…。マッハでしたらギリ間に合うか？」







スマホで時間を確認してとりあえずシャツに着替える。
そして、綴におにぎりの要請を。今日の朝飯は駅まで歩きで食べよ。








「由井さーん、ちょっとドレッサーあさるよーっと。」






由井さんのカーディガンを脱がせて、俺のパーカーを着せる。
それからソファに転ばせた。
スカート危うい。







「…失礼しまーす。」







由井さんのドレッサーから漁ってきた化粧落としとコットンで化粧を落とす。それから、ちゃんと化粧水と乳液も。
あー…こーゆーシチュのギャルゲーやっててまじよかった。
…こんなとこ万里に見られたらマジで死ぬ。






てか由井さんやっぱすっぴんもかわ…、げふん。






最後にブランケットをかけて完成〜〜。







「…俺ってこんなことできたんだ。びっくり。」







万里はスパダリ属性だからできるかもしんないけど、俺は知っての通り自覚のあるゲーム廃人。
そんな俺がここまで甲斐甲斐しく女の子の世話をするのは自分でも驚いてる。






興味本位で由井さんの頰をつついて見ると、想像をはるかに覆すほどのぷにぷに感でびびる。







「…俺、由井さん相手だとなんか調子狂うんだけど…。なんでかな？」







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