【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#73#はせはせ様リク ページ27

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Sumeragi side.






コトの発端は一週間前。
オレと由井は、今期のドラマで月9以外にそれぞれ主演を一本ずつ持っている。
そして、どっちが数字が取れるかという勝負を始めた。





負けた方は、勝った方の言うことを1日聞く。そんなバカみたいな条件までつけて。





結果はオレの負け。由井主演のSFドラマに負けた。





多少は気に食わなかったが、負けは負け。
由井のいうことを一二か聞かなくちゃいかん。
…で、由井が提示してきたのは…。








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「制服デートって…お前本気か？」







現在、昼の13時。何故か聖フローラと欧高がどっちも昼までで。
そのあとデート…することになった。
ちなみに、今は聖フローラの校門前。






翡翠色のセーラー服に、だぼだぼのベージュのカーディガンを羽織っている由井。
ブランド物の鼈甲柄の丸い伊達眼鏡、上品なのに垢抜けている薄化粧、萌え袖。
日頃から"かわいい"を徹底してるこいつは、制服でもやっぱりかわいい。







…くそ、なんか腹立つ。







『…だって、私したことないんだもん。皇くんは彼女いたことあるんだよね？前言ってたし。』





「お前はなんか違うだろ…」





『だから、今日はエスコートお願いね♡』







悪戯っ子みたいな笑顔。
…そんな楽しそうな顔しやがって…、そんな顔されたらやるしかなくなるだろうが。






考えてみれば、こいつと2人で出かけたことってないかもしれない。
買い物行くときは基本万里さん含めて3人だし。






全く、しょうがないやつ。








「…仕方ないな。


こうなったら、オレ様が完璧にエスコートして、満足させてやるよ。」







『へっ』








油断していただろう瞬間に、手を握ってみる。
その瞬間、オレの方をバッと見て顔を赤くした。
…由井の手を握ることなんて沢山あった。けど、なんか今日は違う手を握ってるみたいな感じになる。







何頰赤く染めてこっち見てんだよ！こっちも何食わぬ顔するの大変なんだぞ？！くそ！








『す、皇くん…流石に手はやばくない？写真とか撮られたら…』







「月9の役作りの一貫ってことでいいだろ。一時的擬似デートってことで。」







そう言って、オレはちゃんと繋いでる手が見えるようにツーショットを撮る。
そして、インステに投稿。








「…ほら、行くぞ！…"A"。」






『う…うん！"天馬"！』








…やべぇ、緊張してきた…！







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