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『えっ…』
「…お前にも都合ってもんがあるのはわかってる。けど…、どうしても。
会場に入る入り口のとこ…俺のいちばん近くで、俺を見守ってほしい。」
『轟くん…』
いつもみたいに、ど天然な空気じゃない。
本気で、真剣に…私に要求してきてる。
轟くんは、クールで冷たそうに見えるけど…本当はすごく優しい。
だから、お昼に誘うときとか図書館に誘ってくれるときとかは、私の気持ちや都合を考えてくれていた。
…そんな轟くんが、私の都合を考慮した上で要求してきてる。
すごく珍しくて、驚いた。
でもそれ以上に、何で私に？という疑問が浮かぶ。
『…何で私なの…？』
「…なんで、だろうな…。」
轟くんが、私の手首を引いて体を近づける。
突然近くなった距離に、息が詰まった。
…轟くんの匂いがする。
優しくて懐かしい…すごく、落ち着くような香り。
弾かれたように轟くんの顔を見てみてると、少し不安げな顔をしていた。
『…怖い？次の試合。』
「…怖くねぇ。」
『じゃあ…武者震いかな。』
「…それは…あるかもな。緑谷はできるやつだ、何してくるかわからねぇ。
…あいつに勝って、親父を否定する。」
轟くんの家庭の事情を聞かされたとき、なんて返事をしていいのかわからなかった。
想像もできないほど壮絶で、生半可な答えなんてできなかった。
"左を使わずいちばんになることで、親父を完全否定する。"
そう言っていた轟くんの顔は、執念や…怒りに囚われてるようで。
凡人の私からすると、お茶を濁せるようなこともかんがえられなくて。
でも、一つだけ言えたことがあった。
それが、今の轟くんにとっていいことだったのか悪いことだったのか…はたまた、忘れてしまうほど心に残らないようなことだったかはわからない。
「水野…。」
『…っわ、』
轟くんが身を屈めて、私の肩口に額を擦り付ける。
綺麗な白い髪の毛が、ほっぺに当たってくすぐったい。
「…俺…、お前の近くにいると安心するんだ。
なんでかはわからねぇ。…とにかく、安心する。
1年前のあのとき、俺はお前の"個性"に惹かれて声をかけた。
けど、今は違う。お前の個性はどうでもいい…とまではいかねぇが、それ以上に"お前"がいい。
俺の側にいて欲しい。俺も、お前の側にいたいって思ってんだ。」
『…っ』
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M - めっちゃ最高でした!!（表現力0ですみません）次も楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2021年8月29日 21時) (
レス) id: f5d7f6001a (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 本当に面白いです！！更新お願いします！ (2021年8月10日 19時) (レス) id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - すっごく面白いです！！めっちゃ続きが気になります！！ (2018年7月31日 19時) (レス) id: 05e25352a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - まじでサイコーです！弔くんとの続きがみたいです(・∀・)これからも更新頑張ってください！めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2018年3月4日 4時) (レス) id: e5b1effe20 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 一言で言って最高です(真顔) (2018年2月18日 22時) (レス) id: ba99215799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青
| 作成日時：2018年2月8日 11時
