【HQ!!】貴方を喰べてもいいですか。【東京喰種】

#03 ページ6

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『う"、うぇ……ん、ぐ…っ』









胃から込み上げてくるのは、人間の食べ物独特の生臭さ。








舌の根元を押して、嘔吐をさそう。
トイレに篭ってかれこれ30分が経ちそうだ。









…こうなってしまったのは、先月のこと。








私は喰種だから人間の食べ物はたべられない。だから、学校の中でも水やコーヒーだけを口にしていた。







けれどある日、棗ちゃんの代わりにノートをとっていたお礼として、棗ちゃんがチーズケーキを奢ってくれたのだ。







口当たりは最悪で、まるで泥を食べているようだった。
香りはカビ臭くて、飲み込むと喉につっかえる。
とても食べられるものじゃない。







こんなものより、人間の眼球の方が断然おいしい。







けれど、そんなこと言えるはずなくて。
おいしい、おいしいと言いつつ完食。
それ以来、棗ちゃんはことあるごとに私にチーズケーキを差し出すようになった。








そして、私はチーズケーキが好きだと勘違いした棗ちゃんがそれを赤葦くんに伝え…。
赤葦くんとカフェテリアに行くと、ほぼ100パーセント奢られる。








ここは男にかっこいいことさせて、と。
そんなことしなくても貴方はかっこいいですから。お願いだからしないで。
何度そう思ったことか。









『…ぐ、…っ、はぁ…』









身体中の力が抜ける。
嘔吐するまでに間に合わなかったチーズケーキが、体中に回っているのだ。







喰種は、人間の食べ物を消化してしまうと、力が弱くなってしまう。
そして私は、それを顕著に表していた。







私は、他の喰種よりも回復力に秀でている。
その反動として、より多くの食事を必要とし、そして人間の食べ物への体の拒否が激しいのだ。









『(私…馬鹿だなぁ…。)』









誘いなんて断れば、こんなことにはならない。
けれど、そうしたいのは。








赤葦くんや棗ちゃんと、友達でいたいから。









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