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キバナさんに抱えられて、寝室のベッドまで運ばれる。
細いのに、想像以上にその腕はしっかりしていて…うっかり身体を預けてしまった。
あぁ、なんて情けない。
『あっ、だめだめ…。
…キリンリキ、マスクとってー…ごめんね…。』
近くにいたキリンリキにお願いして、使い捨て用のマスクを取ってもらう。
ふよふよと宙に浮いて私の元へやってきた二枚のマスク。
…流石、私の考えてることなんてこの子達にはお見通しなのだ。
そしてその片方を、キバナさんに手渡した。
『キバナさん、マスク…。
うつしちゃうので…。』
「ん？あ、あぁ…そうだな、オレさまがこれで体調崩してちゃカッコつかねぇもんなぁ？
ありがとな。…ん、お前も。」
キバナさんは、私に挨拶をしたあとにマスクを持ってきてくれたキリンリキの頭を撫でた。
その様子を見て、心から微笑ましく思う。
「んーっと、じゃあA？オレさまオマエのメシ作ってくるから…ちゃんと寝とけるか？」
『え？！ごはん？！…い、いや…っキバナさん！
私、お水とか軽いものとか買ってきてくださるだけでもすごく助かってて…！
そんな、』
「は〜〜〜〜〜〜オマエってやつは！
謙虚なのはオマエの美点だけど、しんどいときは周りに頼れ。」
『でも、私…キバナさんに何てお礼をしたらいいか…。
お忙しい中のお休みなのに、こんな…。』
「じゃあ、今度デートしてよ。
それか…オレさまのポケモン達のシャワー手伝って。
どうだ？これでお互い徳だろ？」
キバナさんは、私の頭をゆっくりと撫でてくれる。
顔を見てみると、いつもの陽気な目でも雑誌で見た鋭い目でもなくて…穏やかな、優しい目をしていた。
その目に当てられて、何も言えなくなる。
…そんな顔とそんな言葉、ちょっとずるすぎやしませんかね？
そんなことを考えている間にも、キバナさんは私の頭を下げて撫で続けてくれている。
…本当に、この人はどこまで人がいいのだろうか。
『…じゃあ、お言葉に甘えて…
よろしくお願いします…。』
「…ハイ、喜んで。オジョーサマ？
じゃあオレさまはキッチン借りるけど…誰かこいつ起きないかちゃんと見ててくれ！」
キバナさんがそう言うと、マフォクシーが返事をしてベッドサイドチェアに腰かけた。
「じゃあ…いいこにしてるんだぞー？」
その言葉を最後に、私は夢の世界へと入っていた。
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椿姫 - はじめまして！すごく素敵な作品でした！続きをとても楽しみにお待ちしてます！応援してます！ (2020年8月2日 22時) (
レス) id: 98fbe8eed1 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 初めまして！めちゃめちゃお話が好きです！応援してます！ (2020年1月23日 22時) (レス) id: e2cf4e457e (このIDを非表示/違反報告)
ユリカ - 初めまして！この作品が大好きでいつも読ませて頂いています！続きがとても気になります！これからも応援しています！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 5d842f36da (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - この作品すごく面白くて好きです！エスパータイプとかフェアリータイプのポケモンが好きだし、キバナさんも好きなので最高です！次回も楽しみにしてます！ (2019年12月27日 21時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - コーヒーの存在だけで、オシャレに感じる素敵なお話でした(´▽｀) 次回も楽しみにしています！ (2019年12月26日 15時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおい
| 作成日時：2019年11月26日 1時
