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Dande side.
オレは10年間ガラルのチャンピオンを続けてきて、それなりに沢山のトレーナーを見てきた。
もちろん、そのポケモンたちも。
表情や立ち振る舞い、仕草や声色。
彼らの様々な要素から、様々なことを考える。
どんな技を繰り出す?
どんな気持ちでここまで勝ち進んできた?
どんな旅をしてきた?
どんなバトルが好きで、どんなバトルが苦手なんだ?
…考えるとキリがなく、これがまた面白い。
それを、Aと初めて会った日も考えたのだ。
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その日はポプラさんに用事があり、空飛ぶタクシーでアラベスクタウンを訪れていた。
相も変わらず不思議な空間に、ここの魅力を感じた。
その時ポプラさんに、おすすめの店があるからコーヒーでも飲んでいけ、と言われたのがきっかけだった。
ポプラさんが連れてきてくれたのは、比較的小さな喫茶店のようだった。
アンティーク調、というのだろうか。
流行りに流されない、洗練された店構え。
ローズさんとはあまり来ない店に、少し緊張する。
そんな気持ちで入ったそこに、Aはいたのだ。
『いらっしゃいませ。』
耳あたりの良いソプラノ声。
柔らかく声をかけてくれた彼女は、オレと同じくらい…もしくは下くらいの歳だろうか。
白いシャツを綺麗に着こなし、清潔に纏められた柔らかそうな髪の毛には良い印象が持てたことを覚えている。
しかし、オレの目をそれ以上に奪ったのは…彼女の足元へ座るエーフィだった。
「おお!このエーフィいいな!!!」
『え?』
「はぁ…ダンデあんたまたかい…!」
大声を出したオレに対して、そのエーフィは酷く冷静だった。
威嚇することもなく、怯えることもなく。ただじっとオレを見ていた。
そこでまた、このエーフィは只者ではないと感じた。
自分で言うのも何だが、オレはオーラがある方らしい。それこそ、あまりレベルの高くないポケモンに第一印象で怖がられてしまうことだって。
「このエーフィ、君の仲間かい?」
『えぇ、そうですよ。』
「丁寧に育てられていることがよくわかる。君もなかなかのトレーナーのようだ。
…オレはこのガラル地方のチャンピオン、ダンデだ。
よければ君とポケモンバトルがしたいのだが…どうだろうか?」
オレがそう言ったときのAの顔は、今でもよく覚えている。
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椿姫 - はじめまして!すごく素敵な作品でした!続きをとても楽しみにお待ちしてます!応援してます! (2020年8月2日 22時) (レス) id: 98fbe8eed1 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 初めまして!めちゃめちゃお話が好きです!応援してます! (2020年1月23日 22時) (レス) id: e2cf4e457e (このIDを非表示/違反報告)
ユリカ - 初めまして!この作品が大好きでいつも読ませて頂いています!続きがとても気になります!これからも応援しています! (2020年1月22日 23時) (レス) id: 5d842f36da (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - この作品すごく面白くて好きです!エスパータイプとかフェアリータイプのポケモンが好きだし、キバナさんも好きなので最高です!次回も楽しみにしてます! (2019年12月27日 21時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - コーヒーの存在だけで、オシャレに感じる素敵なお話でした(´▽`) 次回も楽しみにしています! (2019年12月26日 15時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおい | 作成日時:2019年11月26日 1時