011. ページ12
.
『ジムチャレンジの開会式…ですか?』
「そーそ、開会式!ガラルに住んでるんなら、一回は見たことあるだろ?」
キバナさんは、コーヒーをすすりながらそう言った。
ジムチャレンジの開会式。
それは、年に一度あるチャンピオンに挑戦する権利を争う戦いの開会式のことだ。
私がガラル地方に来て約5年。
この地方ではジムチャレンジはスポーツのような扱いらしく、その開会式はとても大掛かりになされていたのにすごく驚いたものだ。
…私がやってきたジム戦は、どれもこう…道場破りみたいなものだったから。
『何度かテレビの中継で観たことがありますよ。
すごいですよね、毎年!』
「そりゃあまぁ、ジムチャレンジってのはここの人たちはみんな注目するからなぁ。
大々的にもなるさ。」
『確かに、チャンピオンとバトルする本戦もすごい熱狂的ですもんね。
お客様が、毎年観覧チケットを取るのが難しいんだって教えてくださいましたし…。』
「だろー?ジムチャレンジは何回もあるから意外にチケットは取りやすいけど、ダンデのエキシビションマッチや開会式は倍率がすげーんだよ!」
キバナさんはカップを置き、得意げに言う。
きっと、ダンデさんのことを話しているからだろうな…と何となく感じた。
「で、だ。」
キバナさんは、ごそごそとご自分の服を漁る。
お、あった。と小さく言って、テーブルの上に小さな封筒を載せた。
そして、指ですっと私の方へ寄せる。
『?なんですか、この封筒…』
「いーから開けてみろよ。」
私は、キバナさんに促されるまま封筒を手に取る。
そして、中に入っていた紙を取り出す。
結構しっかりしていて、良い紙のようだった。
白い紙をひっくり返し、書かれている文字を見てみる。
私はそこに書かれている文字を見て、驚きキバナさんに目を向けた。
「お、良い反応だな!!
ヘイロトム!カメラ!」
『え?!』
時すでに遅し。
キバナさんの声に反応したロトムは光の速さでカメラを起動させ、私の姿をレンズに収めていた。
『いやいや!それよりこれ…』
「いーだろ、これ。お前にオレさまのカッコいい姿を見せてやろうと思ってなぁ?」
"ジムチャレンジ開会式 招待状"
そこにはそう書かれていた。
驚いて何度も読んでみる。
その文字と、自信満々なキバナさんに少しだけ目眩を覚えた。
.
1089人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椿姫 - はじめまして!すごく素敵な作品でした!続きをとても楽しみにお待ちしてます!応援してます! (2020年8月2日 22時) (レス) id: 98fbe8eed1 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 初めまして!めちゃめちゃお話が好きです!応援してます! (2020年1月23日 22時) (レス) id: e2cf4e457e (このIDを非表示/違反報告)
ユリカ - 初めまして!この作品が大好きでいつも読ませて頂いています!続きがとても気になります!これからも応援しています! (2020年1月22日 23時) (レス) id: 5d842f36da (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - この作品すごく面白くて好きです!エスパータイプとかフェアリータイプのポケモンが好きだし、キバナさんも好きなので最高です!次回も楽しみにしてます! (2019年12月27日 21時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - コーヒーの存在だけで、オシャレに感じる素敵なお話でした(´▽`) 次回も楽しみにしています! (2019年12月26日 15時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あおい | 作成日時:2019年11月26日 1時