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Kibana side
「ヘイ、マスター!Aにラテアート?ってやつ作ってもらいたいんだが…」
「もちろんいいですよ。」
『キバナさん…!本気ですか?!』
オレさまが背中をずい、と押すとAは困ったような顔を向けてくる。
身長差もあってか、自然と上目遣いっぽくなっていて…正直ズリィ。
カウンター内に入ると、Aは腹をくくったのか銀色のピッチャーを取り出した。
「お、腹くくったか!」
『…キバナさんにそこまで言われて、私断れませんから。
失敗しちゃったらごめんなさい…!』
「いーぜいーぜ。でっかいハート頼んだ!」
Aにそういうと、奴はふわりと微笑む。
その笑顔から、瞬間に真剣な眼差しへと変わった。
「…!!」
ピッチャーにミルクを注ぎ、スチーム?をする。
チリチリとミルクを鳴らすのを調節しているAの表情は、もう真剣そのもので。
でもどこか、心が躍ってる感じ。
目の奥が輝いていて、楽しい気持ちが抑えきれていない顔。
『…あ、スチーム上手にできた…!』
この顔、どこかで見たことあるんだよな。
Aはピッチャーをトントンとテーブルで平すと、エスプレッソが入ったマグカップへ綺麗にミルクを注いでいく。
「うお、すげー…」
ドバッとは入れず、少しずつ回しながら入れてピッチャーを揺らす。
その繊細な動きに、めちゃくちゃびっくりした。
Aの手が、指がどこもかしこも洗練されてされているように見えた。
初めて見るその光景に、目を奪われる。
…あ、思い出した。
この顔…うちに来るジムチャレンジャーと同じ顔だ。
緊張して、真剣で、でも楽しさを隠せていない表情。
Aも、こんな顔するんだな。
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『お待たせいたしました…』
「うわ!すげー!」
『いやいや、マスターに比べたら全然なんです…!』
Aが作ってくれたのは、オレさまのオーダー通りのでっかいハート。
何層にも別れた白いハートが、マグカップの中で輝いて見えた。
すげぇ、特別なもののように感じる。
『ありがとうございます…!でも、本当によかったんですか?私ので…』
「オレさまは、お前のがいいんだよ!そろそろわかれー。」
オレさまは、Aのカップとツーショットを撮りポケスタグラムにアップした。
#ハートいただき♡
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椿姫 - はじめまして!すごく素敵な作品でした!続きをとても楽しみにお待ちしてます!応援してます! (2020年8月2日 22時) (レス) id: 98fbe8eed1 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 初めまして!めちゃめちゃお話が好きです!応援してます! (2020年1月23日 22時) (レス) id: e2cf4e457e (このIDを非表示/違反報告)
ユリカ - 初めまして!この作品が大好きでいつも読ませて頂いています!続きがとても気になります!これからも応援しています! (2020年1月22日 23時) (レス) id: 5d842f36da (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - この作品すごく面白くて好きです!エスパータイプとかフェアリータイプのポケモンが好きだし、キバナさんも好きなので最高です!次回も楽しみにしてます! (2019年12月27日 21時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - コーヒーの存在だけで、オシャレに感じる素敵なお話でした(´▽`) 次回も楽しみにしています! (2019年12月26日 15時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおい | 作成日時:2019年11月26日 1時