【食戟のソーマ】ドメスティカの分際で。【逆ハー】 (ページ5)

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『失礼いたします。』

私は今日、遠月学園を訪れていた。
目的は編入試験…などではなく、もちろん瑛士様のお手伝いをさせていただくため。

この時期は、遠月の中等部からの内部進学者が決定する時期であるため、統括をとる十傑評議会は多忙を極めていらっしゃるのだ。

…まぁ、といっても私ができることなんて、書類整理や瑛士様の身の回りのことだけ。
いくら使用人だとしても、触ってはいけない書類も多いのだ。

そこも含めて、瑛士様は私を遠月に入れたいと思っていらっしゃるんだと思うんだけど。

「あれっ、Aちん！！」

『久我様！お久しぶりでございます。お元気そうでなりよりです。』

「そりゃあまぁ？俺ですから！

つか、Aちんなんか大人っぽくなってね？
あー、中学卒業したんだっけ？オメデト。」

『ありがとうございます。』

十傑の会議室を訪れると、そこに踏ん反られていたのは久我様だった。
久我様は、四川料理の使い手で私をよく気にかけてくださる方だ。

…最初は打ち解けるのが大変だったんだけどね。

「あっ、そうそうAちん！！

とっっっっくべつに！俺特製の吹糖人作ったげる！
Aちんは生き物何が好きなんだっけ？」

『あっ、えと…ジンベイザメなんですけど…いやでも！お気遣いいただかなくて大丈夫ですから…！』

「その必要はないよ。…Aのお菓子は、ももが作るから。」

『あっ、茜ヶ久保様…！』

久我様がにやにや…にまにま？しながら調理室へ向かおうとしているのを止めている時に、後ろから可愛らしい声で呼ばれた。
その瞬間、久我様の顔に影が掛かる。

…相変わらず、久我様は瑛士様や小林様以外の十傑とは仲が悪いらしい。

「A、苗字で呼ばないで。かわいくないから。」

『で、ですが…。』

ちなみに、茜ヶ久保様は私のことを"A"と呼ぶ。
他の方みたくあだ名で呼ばないのだろうか？ということが気になり尋ねたところ、"Aは元が可愛いからへんな味付けしないほうがいい"と言われた。

…よくわらかないんだけどなぁ。

「何すかぁ？茜ヶ久保せんパァイ…。
俺、Aちんに作ってやりたいんすけど。」

「は？

言ったでしょ。Aが食べるお菓子はももが作るの。
Aが大好きな牛乳をたっぷり使ったお菓子。

だから口出ししないで。」

『……あ、あはは…。』

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