番外篇「てんせい」 ページ46
※ifストーリーです。
もし、原作で銀さんと会ったら〜……みたいな話です。
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『ふわふわしてますね』
土手の上で寝転ぶ俺の顔に影がかかる。目を薄く開けば、そこにはまだ若い女が俺を見ていた。
『……なにが?』
『貴方の髪が』
「綿菓子みたい」そう言ってクスクスと笑いを零し、「美味しそうです」と頷く。身体を起こせば、俺の隣に座ってきた。
女とは初対面の筈である。しかしパーソナルスペースが狭いのか分からないが、人懐っこい女だ。
『でも猫みたいです』
わしやわしゃと俺の髪を搔き回す。やべー女に捕まっちまったかと思うも、その手が何故か気持ち良かった。
思わず目を伏せてしまいそうになり、慌てて女の手を払う。
『そーいうの、あんましねェ方がいいぞ』
『どうして?』
『知らね』
「答えられないんですか」と口を山形に結んだ。
彼女の髪は仔犬のような……いや、自由気ままなところもあり、彼女の方こそ猫みたいである。
それを言うとまた笑われそうな気がして、俺は黙って自分の頭を掻いた。
『きっと生まれ変わったら、貴方は綿菓子が猫になりますよ』
『見た目で決めんな。俺はまたイケメンとして産まれてやるよ』
『イケメン……』
「はて、どこに?」とすっとぼける女の頭を引っ叩きそうになる。しかしそれをぐっと堪え「うるせェ」としかめっ面してやった。
『貴方が猫になったら、私が飼ってあげます』
『おーおー。なら金持ちになっとけよ』
『任せてください。玉の輿に乗ってみせますから』
そりゃ楽しみだな、と二人して笑い合い、再び寝転んだ俺は瞼を閉じる。
輪廻転生。次は一体何に生まれ変わるのやら。
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ハル(プロフ) - なっち★さん» ありがとうございます! 新作出す度になっちさんが素敵なコメントをくださるので、めっちゃくっちゃ力を頂いております!! 明後日らへんに沖田の新作を出す予定なので、お暇がありましたらチラッと読んでくださると嬉しいです( ´ ∀`) (2017年9月16日 21時) (レス) id: 3028802b4d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 彩彌さん» ありがとうございます! お酒が苦手なのは泣き上戸だから〜なんて理由です笑 続篇、まだいつになるか未定ですが、ずっと待っててくださると嬉しいです! 続篇でもお会いできるのを心から楽しみにしております! (2017年9月16日 21時) (レス) id: 3028802b4d (このIDを非表示/違反報告)
なっち★(プロフ) - 続編待ってますね! 他の作品も読ませていただいてるので、ハルさんのことは忘れませんよ!! 素敵な夫婦を待ってます! (2017年9月12日 3時) (レス) id: cd95970bf6 (このIDを非表示/違反報告)
彩彌(プロフ) - 泣き上戸の夢主が滅茶苦茶可愛かったです!!晋助が惚れるのも解ります。続編も楽しみです( *´艸`)更新、無理をせずに頑張ってくださいね(*^_^*) (2017年9月11日 21時) (レス) id: 5fe99d50ec (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - なっち★さん» ありがとうございます! 他の作品に集中してしまいおざなりになってますが、こちらも見捨てずにお願いしますね!( ´ ∀`) 私も高杉大好きです! なっちさん、いつも嬉しいコメントをたくさんありがとうございます! 遠慮せずにこれからも送ってくださいな!! (2017年8月21日 20時) (レス) id: 89eac174e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年6月17日 15時