【APヘタリア】おねだりする？【オールキャラ短編集】

ぱいれーつ うぃず らぶ 2/2---サシャ様リク ページ12

「よし。来たな」

デスクに脚をのっけて、
相変わらず海賊ぶりが抜けない我が祖国。

「…失礼ですが、
今日私はお休みを頂いていたはずでは」

「確かにな。だが、国という仕事に休みはない」

「ぐ…」

私の仕事は国専属部下。
国に休みがないということは、
すなわち私も休めないという事実に繋がる。

「では祖国。なんなりと」

すると彼は、ぱちん、と指を鳴らした。

「！」

侍女が運んできたのは色とりどりのドレスと靴。

「俺は昨日、お前に謁見の間に来いと言ったな。
その為のドレス、どうせまだ見繕ってないんだろ」

「…そ、それは…」

「何故だ？」

椅子から降りて、私に近づく。

「何故、休もうとした」

顎に手をあてられる。

「っ…私のような下賤の者が陛下に合うなど…」

「嘘はいい」

ぐい、と顔を上げられ一気に彼の視線が近づく。

「この俺に嘘をつくのか？」

「…っ」

言うしか、ない。

「…私は、
船ではいつも男に混ざって大砲を撃っていた…
今より、荒くれてた時があった。けれど、
貴方の下についてから少しずつ変われたの」

彼と目を合わせられない。

「私と似てるし、残虐非道で、悪徳で、手本になんかできっこない。なのに、一生懸命私に礼儀作法を教えてくれた」

「A…」

「だから、私は貴方の秘書になった。
国である貴方が、その先に何を見ているのか隣で感じたい。

私も、見てみたいの。国(そこ) からの景色を」

女王様だって、この国の未来を見てるはず。
でも、

「貴方に、少しでも私を意識して欲しかったの…」

言い切った。もうクビになってもいい。

独り占めしたいなんて、そんなおこがましいこと。

「…めろ」

「え？」

「俺の靴を舐めろ」

「はぁ？！何言ってんだこの変態！」

ばこんっ、と叩いて
思わず突き放してしまった。


「…し、しまった」

ニィ、と嫌味に笑う彼。

「ま、
お前の本性なんてお前を拾った時から知ってるさ」

「な、何が言いたいの！？もうこの際煮るなり焼くなりしなさいよ！」

「…じゃあ、


俺がお前を食いたいって言ったらどうする？」


「え」

食肉？

「ちっげぇよ、ばか。まあ、まだその程度だな」

そう言って彼は椅子に戻ると、「早く選べ」と
何事もなかったかのように振る舞った。

「ちょ、ちょっと今の話っ…」

「まあ、せいぜい俺の''側''で努力するんだな。

女王陛下に嫉妬しないくらいに♪」


「〜っ！！」


絶対、振り向かせてやるんだから！

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