時・7【 T 】 ページ7
胸のデカい浜田さんは、謎の頼みをし、スタジオを去った。
いつも通りにスタイリストと共に美術チェックする岬。
でも、その顔は 浜田さんが心配していた通り、疲れたように見えた。
「大丈夫か？」
「え… ？」
うわ、びっくりしたように見上げてるかも…
あ、… すげぇのが１本立ってる… ｳｽﾞｯ…
「何が、で、す？」
「いや、ムスッとしてるし、疲れて体調悪いのかな？って」
…
…
「ホント… 玉森さんって どっちなんですか？」
「え？どっち？？」
何が？？
「優しいのか、そうじゃないのか… 」
「それ気まぐれですか？私に忖度しても何もないですよ」
よく言われる、…
自由だの適当だのって… そのたびに凹む(忖度は、初)
「どうせ 疲れる男だよ！俺は！」
「誰もそんなこと言ってませんけど」
目が言ってんだよ、目が！！
お前なんかに忖度なんかするかよ！！
つか！つか！その妖怪アンテナ何なんだよ！！
「白髪」
「え？」
髪が太いのかぴょこんと一本立つのが気になる。
さっきから気になって気になって…
「ぴょんぴょんしてんだよ、なんか気になるから抜いてやる」
「増えるって言うからイヤです」
でも、超、ウズウズなんだけど…
もはや そこしか目がいかない。
「抜くったら！抜く！浜田さんに頼まれたし！」
「そんなこと頼んでない！やだ！！」
そう言われると余計抜きたくなるんだよ！！
デビル玉森 降臨！！
「やぁあああ！！来ないで――！！」
「ふはははっ！！ヘッドロ〜ック！！」
捕まえた〜〜！！(￣ー￣)ﾆﾔﾘ…
「玉ちゃん、何してんの… 」
「あ！見てみて！妖怪アンテナ〜(*^▽^*)」
頭を抱え、共演者たちに見せる。
ジタバタしてるのが面白くて楽しい(*^▽^*)
「ホントだ、真っ直ぐ１本ね」
「でしょう？(*^▽^*)」
なんて剛毛なんだ！
毛量もかなり多くていいなぁ〜 でも、意外と柔らかいぞ…
わしゃわしゃ…
「玉ちゃん、触りすぎじゃない？」
「え？」
！！
「うわ！ごめ！！」
「… 」
ババッと放したが…
固まったまま… 共演者、スタッフの皆様も岬に全集中。
「み、岬？？」
「… 」
し、しまった…
調子に乗りすぎてしまった…
「はーい、そろそろ始めまーす」
「じゃ… ﾊﾊ… 俺、行く」
気まずくそそくさと去った。
でも、岬は しばらくその場を動かなかった。
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作者名：亀猫
| 作成日時：2022年6月22日 10時
