幾時の針・別時の物語Ⅱ (ページ45)

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時・45【　T　】ページ45

そっか、新作を見せたくてウキウキしてたのか。

本当に嬉しそうに笑ってる。

「じゃあ、見せてもらおうかな？」

「うん！！」

段ボールを玄関へ置き、リビングへ。

岬は、室内をキョロキョロ。

「すご… 綺麗」

「そう？ありがと」

普段から掃除はしてる。

でも、今日はもっと念入りに掃除した。

「そのソファー座ってて。お茶淹れてくる」

「うん」

ゆったりした時間。

ああ、こういうのいいよな(*´ω｀)

「はい、お待たせ。オレンジティでーす」

「わぁ、綺麗！」

わたに貰った紅茶シリーズ。

気に入ってもらえたみたい。

「玉森さんは、いちいちオシャレさんですね」

「なに、そのいちいちって」

下唇出てるし…

「だって、やっぱ次元が違う気がするから… 」

「私、大丈夫？って思う」

ん？話が嫌な方向へ流れてないか… ？

ここは、話を変えないと！！

「んなことないって、あ！新作！新作見せてよ！」

「あ！そうだった！！」

あぶねぇ～…

やっぱダメって言われたら泣く…

「えっと、３つ作ってみました」

「うわぁ、細か… これ、本当に木？」

嬉しそうに頷く岬。

その笑顔は、自信に満ちていた。

「玉森さんは、普段ふにゃんとしてるからたまにはシャープな感じもいいかなって」

「あと、瞳が茶色いからウォールナット系も合うんじゃないかなって」

あ…

「うん、色素薄いからね、俺」

「茶系好き。このシャープさ、いいね！」

３つともデザインと特徴を説明してくれる。

作品に対しての想いもそうだが、俺に似合うように考えてくれるところが嬉しかった。

「ありがと、全部素敵だね」

「してくれる？」

くすっ…

「当たり前。どれを付けていこうか悩んじゃうよ」

「ホント？嬉しい(*^▽^*)」

小さな小さなピアスたち。

でも、その情熱は、遥かに大きい。

「あのね、これ早いけどクリスマスプレゼントなの」

「え… 」

クリスマスって…

「玉森さん、これからお仕事忙しくなるから… 今度会えたら絶対渡そうって決めてたの」

「えっと、本当にいつもありがとうございます！！」

ぺこりと頭を下げた岬。

その健気な姿に、グッとこみ上げるものが…

無意識に身体が動く…

「え、ぅわ！(＠_＠;)///ﾁｮｯﾄ… 」

「ありがと… 」

ギュッ…

細く、小さな身体。

愛おしすぎて涙が出そうだ。