幾時の針・別時の物語Ⅱ (ページ30)

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時・30【　T　】ページ30

う～～！！嫌なこと言った～～！！

気分悪くした、だって… 黙って俺を見てるし！

それも真顔！！(;_:)ｺﾜｲ…

「ご、ごめん… 俺、よく知らないくせに… 」

「… 」

ディスったら気分悪いって！(＠_＠;)ﾊﾗﾊﾗ…

わーん、ごめーん！！

「玉森さんって… やっぱり… 」

「やっぱり！？Σ(￣ロ￣lll)ﾅﾆ！？？」

違う！？変！？

「ﾌﾌｯ… 」

「え？」

…

「何？何で笑う？」

「だって大型犬が予防接種ビビってるみたいですもん」

クンクン耳としっぽが垂れ、ビクビクご主人様を見る…

… 的な！！？

「俺、そんなイメージ？？」

「うん」

うんって…

「でも、玉森さんの言うこと… その通りです」

「だから、これ… 」

ん？ジップロックの袋？

周りが暗くてよくわからない(←自分のせい)

でも、街灯を見上げるように見てみると…

「これ… 」

「玉森さんのイメージで作ってみました、その… この前のお礼です」

木のピアスだ(リング状ではなく、長方形型)

それもこの前のとは違い、木本来の色をそのまま使用(白木ベース)

木と木の間にシルバーの金属が挟まれ、その四隅には小さく輝く四角の…

「スパンコール？」

「いえ、ジルコニアです。さすがに玉森さんにはスパンコールは似合いませんから」

どおりで輝き方が違うなと…

でも、本当に細かい作業してる。手先が器用なんだな。

「でも、ジルコニアも安物なので… 気に入らなかったら… 」

「ううん、全然。俺、これしたい」

だってこれは世界に一つだけのピアス。

俺の為だけに作ってくれたもの。

「嬉しい。ありがとう(*´▽｀*)」

「車戻ったらつけよ～と♪」

楽しみ～♪

「私、何をこだわっていたのかなって… 」

「負けたくない一心で周りが見えなくなってました」

…

「でも、あのピアスを褒めてくれた時、原点を振り返ることが出来た」

「私は、私の作りたいものを… 皆が喜んでもらえるものを作ればいいんだって思い出した」

…

「玉森さんには感謝してます。ありがとうございました」

「本当は、ダイアモンドとかプラチナでお作りしたかったんですけど、お金なくて(;^ω^)ｽﾐﾏｾﾝ」

何言ってんだよ…

「俺は、これで十分」

「ありがと。大切にするね」

岬が笑う…

でも、どこかまだ悲しそう？

声をかけようとしたとき、岬は俺に背を向けた。