時・26【 T 】 ページ26
水は穏やかに流れているのに…
晴天で爽やかな風なのに…
「全然 釣れないっすね… 」
「あ〜！もう 何なんだよ〜！！」
魚は釣れないし、岬は意識してくれないし！
全然 面白くな―い！！(。-`ω-)ﾌﾟﾝｽｶ！
「帰りますか… 」
「… うん」
いそいそお片付け。
釣り道具を愛車に詰め込んで…
「玉さん、どうします？このまま帰ります？」
「ん〜、今から東京は… 嫌かも〜… (´-ω-`)」
ココからだと８時間はかかる。
今日中には 帰れるけど…
「じゃあ、温泉は？近くにいい隠れ宿ありますよ」
「お、いいね！」
隠れ温泉宿(*´▽｀*)ﾜｰｲ！！
「じゃあ、ちょっと待ってください、宿聞いてみます」
「うん、よろ〜 」
あ、俺もLINE…
ん？え…
― 『 何でいないんですか… いるって言ったくせに 』 ―
嘘っ…
― 『 もういいです。シフォンケーキ ご馳走様でした 』 ―
ヤバ…
「玉さ… 」
「ゴメン！宿キャンセル！！」
バタン！！
「ちょ！玉さん！？」
「早く乗って！！」
戸惑う奴を無理矢理車に押し込め エンジンスタート。
急いで近くの駅まで送り…
「じゃあ、この埋め合わせは 必ずするから！(｡-人-｡) ｺﾞﾒﾝ！」
「はいはい、いいっすよ、それより安全運転で行ってくださいね」
安全運転で行きたいが、気持ちは焦っていた。
確かに 俺… いるって言った。
「なのに… 」
「わー！ごめーん！！」
きっと 俺がいなくて ショックだったに違いない。
何してんだよ〜！俺〜〜！！Σ(￣ロ￣lll)ﾊﾞｶー！！
「えっと、えっと、まだ科学館だよな… 」
「うわぁあ、閉館１５分切ってる――！！」
急いで車を降りて 科学館まで走る。
大っ嫌いなダッシュ。でも、走らなくては…
でも、時間は無情にも…
― 本日は、閉館しました ―
「お、終わってる… 」
「がくっ… 」
マジで何してんだよ… 俺…
自ら墓穴を掘った…
「岬〜… 」
「ごめーん… 」
…
…
スッ…
え… ？日陰…
「だから 日焼けしちゃいますって」
「！！」
バッ！！
「み！岬！！？」
「… 」
岬だ…
いた…
「何で… ？」
「それは、私のセリフです。何でいるんですか」
何でって…
呆れた顔で日傘を差す岬。
その顔を見ただけで 安堵感からか ヘナヘナと力が抜けてしまった。
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作者名：亀猫
| 作成日時：2022年6月22日 10時
