幾時の針・別時の物語Ⅱ (ページ24)

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時・24【　T　】ページ24

あの苦しかった時を思い出す。

何度も皆で悔しがったっけ…

「俺も腐ってた時期あったなぁ… 」

「玉森さんが？」

当たり前じゃんというばかりにJr時代から今に至るまでを話した。

岬と同じ、苦く辛い経験を何度もした。

「盗作とかはなかったけど、追い抜かれたり、省かれたり、無茶苦茶だったよ」

「だから１５年以上はかかったかな？今の俺になるまで」

今も必死でこの世界に食らいついてる。

「だからね、岬の今の状況、俺物凄いわかる」

「苦しさも悔しさも」

誰よりわかるよ。

「でも俺は、諦めたくなかった」

「皆(キスメン)とずっといたかった。だから苦しくても諦めなかった」

俊君…

ニカ、千ちゃん。

ガヤによこーさんにうるさいキタミツ。

大好きなメンバー。

「私には… 誰もいないもん… 」

「そうきますか… 」

くすっ…

「俺がいるじゃん」

「… 」

間違いなんかじゃないよ。

「それに… えっと誰だっけ？現場来た人… (-_-;)ﾜｽﾚﾀ…」

「… 夏樹さん」

あ、そうそう！浜田さん！

胸のデカ人(*^▽^*)ﾎﾞｲｰﾝ！！

「誰もいなくない。俺やその人がいる」

「それにガヤだって、Aちゃんだっている。皆心配してる」

あ、また泣きそうな顔かも…

「いる… ？」

「うん、いるよ」

またティッシュで押さえてやる。

「Aちゃんじゃ… ないのに？」

「だから、岬だって」

俺の相手は。

「あと、このピアスもそうだよ」

「この作品が素晴らしいから、皆の目に留まったんだ」

Aちゃんのおかげじゃない。

これは、岬の実力。

「ホント… ？」

「本当！」

もうティッシュは追いつかないや…

「私… 私… っく… 」

「うん… 」

参ったな…

何もしないって誓ったのに…

「諦めたくない… っく… 」

「好きなの～… ぅ～… 」

ギュッ…

「いいよ、諦めなくて」

「う～… っく… 」

しっかり抱きしめあやす。

― 大丈夫… ―

― 大丈夫だよ… ―

…

…

「… つか、寝る？」

「全然意識してないってことじゃん(-_-;)ｸｿｯ」

前途多難…

やっぱり恋って難しい(;_;)ｼｸｼｸ

狭いシングルベット。泣き疲れた寝顔を見ながらため息。

「ふぁああ～… 」

「ん、ねむ… 」

睡魔には勝てず撃沈。

翌朝、エアコンの寒さに目を覚ました。