幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・106 ページ8

朝から２杯も食べた太輔。


もちろん、おかずの焼き魚も玉子焼き、サラダもペロリ。


アイドルとは思えないほど 朝から食べた。



「お昼 サンドイッチがいいな、ツナの」


「え？局の食べないの？」



コーヒーを飲みながら頷く彼。



「局のメシは、拓斗用だし」


「いつもすみません… (-_-;)」



もう、あの子ったら！！


太輔にたかって〜〜！！叱らないと！！



「あ、怒るなよ、拓斗も大変なんだし」


「わかるけど〜、太輔に迷惑かけるのは… 」



人気アイドルがお弁当持ち帰りなんて…


恥ずかしいに決まってる。



「いいんだ、夢があるんだし」


「夢って、お母さんの我儘だし」



私たちと住むのを夢見てるお母さん。


私もその夢を応援してるけど、太輔に恥をかかせるのは ダメだと思う。



「本当にいいから… 」


「A」



ん？



「ちょっとさ、聞きたいことあるんだけど」


「何？」



聞きたいこと？


ソファーをポンポン？座れってこと？


あ、イチャイチャタイム？え〜？今〜？？(/ω＼)///ｷｬ！！



「な、何？(n*´ω`*n)」


「Aの夢って 何？」



え？



「夢？」


「そう、夢」



夢？



「何？そのいきなりな質問？？」


「いや、未来の目標みたいなのあるかな？って」



未来の目標？


どうしちゃったの？いきなり…


何で突然 そんなこと… ？



「どうして そんなこと？」


「あるなら知りたいなぁって」



夢…


う〜ん？？


「ないの？」


「とくには… 」



考えたことなかったかも、夢なんて。


だって…



「太輔が夢だったし、叶ったから」


「俺が夢… いや、そうじゃなくて、今の夢だってば」



いや、だから…



「ないって。思いつかない」


「え〜？」



『 え〜？ 』って、ダメなわけ？


どうしちゃったの？？



「じゃあ、考えて」


「え？考えるの？？」



なぜ？？


突然 不思議なことを言い出した彼。


夢を考えることになった(宿題)



「じゃあ、行ってくる」


「うん、気を付けてね(*^▽^*)」



手作りのお弁当を持ちご満悦。


すぐに出掛けると思いきや、玄関で考え出した。



「太輔？」


「あのさ、ヒゲ… ダメかな？」



え？



あ〜…



「ううん、全然」


「喫茶店のマスターみたいでかっこいいよ」



世間では、いろいろ言われてると思うけど、私は好き。




どんな姿でも 太輔は、太輔。




私の大好きな人。

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