幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・105 ページ7

◆ 太輔・side ◆

睡眠時間、４時間弱。


まだ脳は働いてない…



「ソファーで横になったら？出来たら起こすし」


「ん〜… 」



行きたくない…


抱き付いていたい。



「ご飯作れないよ」


「… わかった」



仕方がない、離れるか…



「太輔」


「ん〜？」



ふぁぁあ… ねむ…



「え？」


「無理しないで」



…



「ん、しない」


「うん！じゃあ、ソファーで待ってて。あ、新聞あるよ」



普通の朝。


でも、早起きしてでも この時間を大切にしたい。



「心配かけて どうする… 」


「のんびり 余裕を持とう」



テレビを付け、テーブルの新聞を読む。


キッチンでは、楽しそうな音と香り。


その嬉しそうな姿を見るだけで幸せに包まれる。


今日も天気が良さそうだ。ビルから差し込む朝日が眩しく気持ちいい。



「太輔〜、出来たよ〜 」


「ん〜 」



バサッと新聞を置いて、ダイニングテーブルへ。


シンプルな朝食が並んでいた。



「いただきます」


「はーい、いっぱい食べてね」



食べますとも。


家以外はあまり食べない。太るし。


Aのご飯は、すべてカロリー計算されてる。


だから いくら食べても太らない。



「うま！久しぶりの大根メシいいね♪」


「大家さんにたくさん貰ったの〜 」



相変わらず可愛がられてるな。



「大家さん 元気？」


「うん！太輔によろしくって言ってたよ」



そうか… 今度 お礼しないとな… 拓斗もお世話になってるし。


Aの周りは優しい人が多い。ホント、有難い限りだ。



「杉野さんは？あと、東さん」


「杉野さんは、来年定年だから 忙しいみたい」



定年！？もう そんな歳なのか…



「東さんは、相変わらず」


「でも、ミオさんに優しくなったみたい」



へ〜、そうなんだ。


あの東さんがねぇ(￣ｍ￣〃)ﾌﾟﾌﾟｯ！！



「ふふっ♪」


「何？何か面白いことあった？」



嬉しそうに笑うA。



「ううん、のんびり ご飯嬉しいなぁって」


「二人でいるっていいなって」



A…



「うん、俺もさっき思った。朝日の中 気持ちいいなって」


「お前がいるのがいいなって」



そう言って、見つめ合い笑う。



「大根メシ、おかわり！」


「お腹 ポッコリなっても知らないよ？( *´艸｀)ｸｽｸｽ」



大丈夫。




大根メシは、野菜だから カロリーゼロなんです(←そんなわけないない)




幸せ朝食。




早起きのご褒美。

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