幾時の針・消えない物語【 ３ 】

太輔パパの時日記・9 ページ45

◆ 太輔・side ◆

翌年、Aは、元気な赤ちゃんを産んだ。


今度は、ばっちりA似の…



「綺麗な男の子」


「お目目おっきい〜、髪ももうこんなにふさふさ。Aさんの髪質ね」



また男の子。


つわりがなかったから てっきり女の子だと思ってた(また性別は聞かず)



「よかったね、ベビーカーフル活用で」


「嫌味な… (-_-;)ﾑｯｽﾘ… 」



でも、男かぁ…



「名前 どうする？てっきり女の子だと思ってたから… 」


「いいんじゃない？決めた名で」



え…



「碧？」


「うん、みどりでいい」



藤ヶ谷 碧。


蒼に続き、色繋がりで付けた。



「それにニカちゃんたち 喜びそうでしょう？」


「ニカたちの為に付けたんじゃないんだけど… 」



でも、結婚しない奴らには刺激になるかもしれないな。



「でも、女の子が良かった〜… 」


「こら、そんなこと言わないの〜。蒼を見習いなさい」



うっ…



蒼は、生まれたての碧に興味津々。


優しく優しく撫でていた。



「えらいね、さすがお兄ちゃんだね」


「へへっ… (*´▽｀*)」



可愛い…



バリ可愛だぞ！息子たち！！



「おっし！今日から また子育てするぞ！」


「はいはい、力まないでお願いします」



この日から また子育てフル活動。


元気いっぱいの長男を小脇に。胸には次男。スーパーに買い出しが日課。


これがまた 大変で… (-_-;)ﾊｧ〜…



「蒼、カート グイグイしないで… 」


「やー！！」



いっぱい歩けるようになり、俺が押すカートを押したくてしょうがない。


他の人にぶつからないかハラハラしっぱなし。



「蒼、いい加減に… 」


「あー！おかし！」



ガクッ…



今度は、カートそっちのけでお菓子売り場へ一目散。


わくわくしながら眺め始めた。



「１個だぞ、１個」


「やー」



毎回、ここに来ると この攻防が始まる。


俺も譲らないが息子も譲らない。



「昨日も買っただろ、だから１個！」


「や――――！！」



…



誰に似たのだろうか… この我儘…



…



…



「そんなのAでしょう」


「ですかね… 」



義理の母、恵理子さんが笑った。



「でも、大丈夫。Aと同じで お兄ちゃんの自覚はあるみたいだから」


「ほら、見て、その買ってきたお菓子… 」



見ると…



まだ食べれないというのに…



「み、ど、の！あい！！」



…



どうやら 蒼は、ちゃんとお兄ちゃんでした。

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