幾時の針・消えない物語【 ３ 】

太輔パパの時日記・8 ページ44

◆ 太輔・side ◆

家が完成し半年。


蒼もちょこちょこ歩き出し始めた。



「蒼、こっちおいで〜 」


「ぅ〜… ？」



何があるかわからないが 遠くの方を指をさしぴょこぴょこ歩き。


俺の言うことなどわからず 自由気ままな息子。



「ママは忙しいから」


「きゃぁあああああああああああああ！！」



う、うるさ…



「蒼、パパ 耳いたい」


「あー！あ――！！」



はいはい、あっちに行きたいんだな…


それも抱っこしようとするとプイッとする。



「気まぐれ… 誰に似たんだか… 」


「子供ってのは、そんなものだ」



え？



「父さん！？」


「蒼〜、じぃじ来たぞ〜(*^▽^*)」



また来た…



「ねぇ、毎週来てない？」


「Aさんのお菓子を取りに来てるだけだ」



それ、口実じゃん…



「あ、お義父さん、お待ちしてました。出来てますからね」


「いつもありがと、Aさん」



蒼を抱き ご満悦の父。


蒼もじぃじにベッタリ(ちょっとジェラシー)



「母さんは？」


「さぁ？また カルチャースクールだろ？」



また カルチャースクール？


今度は、何に嵌ってるんだ？？



「何でもいいから 来るなら一緒に来てよ、面倒なんだから」


「蒼 また大きくなったな」



え、うん…



「お前も主夫が板について… アイドルだったとは思えないな」


「引退してませんけど」



仕事は減ったが ちゃんとアイドルです。



「あ、そう言えば A、二人目出来たから」


「え！本当か！！それは めでたいじゃないか！！」




昨日わかった事実。



「そうか、蒼はお兄ちゃんになるのか」


「う〜？？」



まだ わからないよ(;^ω^)ﾔﾚﾔﾚ…



「じゃあ、工房は？」


「体調を考慮しながらやるって」



蒼の時のようにつわりが酷くないらしい。


もしかしたら、女の子かもしれない。



「じゃあ、毎週のお菓子は… 」


「身内分はやるから、… 来ていい… 」



…



「嫌がってたわりには… 」


「別に嫌がってない！構うのが面倒なだけ！」



親孝行は、親がいなければできない。


Aの父親のことを想うたび そう考えるようになった。


要は、俺も年を取ったってことだな。



「そうか、二人目ができたか… 次は女の子がいいな(*^▽^*)」


「さらにじじバカになりそう… (-_-;)」



でも、俺も秘かにそう願っている。




あ〜、どうか 待望の女の子でありますよ〜に！！

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