幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・133 ページ35

今日は、お世話になってる中居さんに妊娠の報告。


きっと知ってると思うけど、お礼を兼ね訪問した。



「で、どっちだ？」


「まだわかってないですって」



妊娠２ヶ月では、正確にはわからないらしい。


でも、聞かないことにした。



「なんか… 野郎な気がする」


「え〜、女の子がいいんですから やめてくださいよ」



結局、太輔は 女の子がいいらしい。


絶対に私似の可愛い女の子だと言い張っている。



「Aちゃんは？どっちがいい」


「私は、どっちでもいいです。健康に生まれてくれれば」



親になってわかる。


性別なんか二の次だと。まずは、健康第一で生まれてくれればいい。



「やっぱ、Aちゃんのが上だな」


「はい？」



？



「お前は、相変わらず全然ダメ」


「大丈夫か？ちゃんと親になれるのか？？」



あは、中居さんの説教が始まったかも。


でも、このお説教があるから 太輔は成長する。私も。


また一歩大人になり、親になる。



「で？来月は 北山だって？キスマイ結婚ラッシュだな」


「ニカ千だけが取り残されてねぇか？」



う〜ん…


ニカちゃんと千ちゃんは まったく結婚する気がないらしい。


どっちも一人がいいってタイプみたい。


玉ちゃんと俊君も来年にはするって息巻いてたし…


ホント、キスマイは ご成婚率高いグループになるかもね。



「… ったく、祝儀ばっか取ってくなよな」


「ケチなこと言ってんじゃないわよ、藤ヶ谷君出産祝い ドーンとねだっていいからね」



相変わらず人気司会者。


その陰には、厳しく見守る この瞳のおかげ。



「じゃあ、期待してます！(*^▽^*)ｱｻﾞｽ」


「こらぁ！樹ー！余計なこと言うんじゃね――！！ヽ(`Д´)ﾉﾌﾟﾝﾌﾟﾝ」



あはは、ホント、良いパワーバランス。


うん！私もこんな夫婦になりたいな♪



「じゃあ、次の報告楽しみにしてる」


「はい」



ぺこりと二人でお辞儀して 中居家を後にした。


その後、杉野さん宅へ報告。



「案の定、泣いたな」


「幸恵さん、大笑いだったね」



お父さんの写真に向かい…




― 『 孫だぞ！陽介！！やったな！陽介ぇ〜… (´;ω;｀)ｳｯ… 』 ―




「孫バカになりそう」


「いいじゃん、孫バカ(*^▽^*)」



よかったね。


君は、皆に愛されて。



「どっちだろうね」


「どっちだろうな」



クスッと笑い、手を繋いだ。




すると 急に手の力が強くなった。




見ると真剣な瞳。

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