幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・126 ページ28

◆ 太輔・side ◆

木村さんの言葉…


隠す必要はない。自分が選んだ女なんだから。



「迷惑じゃない」


「いつかは、わかること。乗り越えないといけないことなんだから」



結婚も妊娠も。


ファンにとっては、嫌なことなんだろう… でも、俺はファンの為だけに生きてるわけじゃない。


藤ヶ谷 太輔として、自分の人生を生きている。



「無理してない？大丈夫？」


「してないよ。ただ、お前を幸せにしたいだけ」



絶対に幸せにするんだ…


そして 自分も幸せになる。


木村さんのようになるんだ…



「えへへ… なんか嬉しい」


「胸のつかえがなくなった」



肩を抱き、ぽんぽん…



「大丈夫、俺が絶対に守ってやるから」


「うん」



安心しきって身を預けてくれる。


きっと この先、この身体がどんどん重くなるんだろうな…


責任と共に。



「Aは、やっぱり 男の子？」


「うん、太輔は、女の子だよね？」



う〜ん…



「杉野さんに脅かされたからな… 女の子は、大変だぞって」


「俺、女の子だったら ヤバい親父になるかも」



実家も男だらけ。


女子がいたことはない。



「うちのお父さんぽくなるかもね」


「やめてね、過保護すぎは。ホント、大変なんだから」



うっ…



「無理だって、絶対に可愛いだろうし… 」


「俺とお前の子だぞ？超絶可愛いに決まってる」



亡くなった親父さんじゃないけど、絶対に過保護になると思う。



「も〜… 困った人」


「だって〜〜！！」



俺の子だもん！！



「じゃあ、男の子なら？」


「ん？男？変わらないんじゃない？」



性別関係なし。



「同じ。どっちも可愛いと思う」


「俺とお前の子だから！」



愛情の差も関係なし！どっちにも同じ愛情！！



「どっちにしろ、超絶親バカってことね(´-ω-`)ﾔﾚﾔﾚ… 」


「お前だって、人のこと言えないだろうが！」



きっと 親バカになるのに！！(超絶はないかも… )



「私は、きっと冷静ですよ〜 」


「嘘だぁあ！！」



ピンポーン…



ピンポーン…



「「あ！来た！！」」



顔を見合わせ 立ちあがった。



「お前は、ここにいろ」


「う、うん… 」



未来の話は、一端終了。




ここからは、現実の話。




モニターを見るとそこには、あの彼女ではなく、北山と俊君。




ものすごい真面目な顔で立っていた(自衛隊のような直立不動)

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