幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・122 ページ24

深夜１時。


あれから急に連れられ、夜のドライブ。


でも、私は、さっきからハラハラしてしょうがない(＠_＠;)ｱﾜﾜ…


そのわけは…



「助手席なんて〜 見つかっちゃうよ〜〜(;_;)ｼｸｼｸ」


「だから いいんだって(*^▽^*)」



開き直ってるのか、全然動じない彼。


結婚するから 問題なーい！の一点張り。



「それにハイエナは、玉の方にいってるから 大丈夫だって」


「あ、今 玉ちゃんすごいもんね」



ドラマに映画、めちゃくちゃ立て続けでフィーバー中。オファーの波がすごい。


むぅ！？おかしいな？太輔だって すごいのになぁ？？なんか納得いかなーい(; ･`д･´)ﾅｾﾞ！？



「あ、A、見て見て」


「ん？」



え…



「すごい！！綺麗！！」


「だろ？この前来て、見せたいなって思ったんだ」



夜の海。


建物とかは、真っ暗で何があるかわからないけど、灯台や操業してる船、ところどころライトが光り美しい。



「いい所だと思わない？」


「うん、港町素敵だね」



古い町並みと新しい町並みが融合してて素敵。



「この辺 どう？」


「どうって？？」



？？



「D工房」


「え… 」



まさか…



「買う気ですか？」


「何で敬語？(￣ｍ￣〃)ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ」



いや、だって…



「ん〜、まだ決めかねてるけど、雰囲気が好きなんだ、この街」


「へ〜 」



太輔の思い出話。


木村さんに連れきてもらったのが最初。いろいろなことがこの海であったらしい。


悪気ない恋バナにはムッとした。雰囲気を悟って すぐに話すのをやめたけど。



「夢の話に戻るけど、場所は 本当にどこでもいい」


「もちろん ここじゃなくても。でも、いつかは 終の棲家を見つけたいんだ」



終の棲家…


太輔の中では、もう そのプランが見えているのかもしれない。


光る水面、漆黒の海を見つめながら 嬉しそうに話しているから。



「俺、子供を育てながら、Aと生きたい」


「ずっと 笑って手を繋いでいたいんだ」



うん…



私の夢…



太輔の夢…



「D工房、本当にいいの？」


「うん」



夢を見たい。



「太輔」


「ん？」



あなたで良かった。



「大好き。ありがとう」


「ん。俺もありがとう。大好きだよ」



いつものキス。




幸せのキス。




この人がいれば、私は幸せになれる。




だから 幸せになろう。




未来の私たちを幸せにするために。

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