幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・119 ページ21

◆ 太輔・side ◆

海から帰ったのは、深夜２時を回っていた。


さすがに この時間に起きていることはなかった。


ベット脇の読書灯がぐっすり眠る彼女を照らしていた。



「… 」



静かな寝息。


起きないようにそっと撫でた。



「その為にも 俺も何かしなくては… 」


「でも、芸能界以外 職なんか考えたことなかったんだよな… 」



昔 辞めると杉野さんに啖呵を切ったことがあったが…


いざ違う職種を考えると何をしたいのかが わからない。


う〜ん？そもそも 俺って、何が出来る？？



…



…



「何で辞めるって前提なんだ？」


「え？だって… 」



４５歳引退計画だし…



「北山は、辞めないのか？」


「辞めないね、キスマイ好きだし」



いや、俺も好きだけど…



「５０近くなって 今みたいに踊れるか？って言ったらダメだろうけど キスマイを辞めることはない」


「先輩たちだって 辞めてないじゃん」



確かに…



「俺は、二足の草鞋でもいいと思ってる」


「半分芸能界、半分別世界」



半分半分？



「それが何かって聞かれたら 今は答えられないけど、キスマイを辞めるって言う選択肢はない」


「半分を探す。でも、俳優かな？」



なるほど…


北山の意見をキスマイそれぞれに聞いたら 同じ意見だった。


渉もしかりで…



「俺は、動物に関する仕事を彼女と計画中」


「キスマイ横尾兼、実業家を目指したい」



まさかの実業家(プラス、普通のオジサンらしい)


その他、俊君はアニメクリエイター兼、声優。


玉は、とりあえず俳優業。やはり その先は、何も考えてないらしい… (;^ω^)ﾊﾊ…


健永は、両親の後を継ぎ美容関係とまぁ、それぞれが多種多彩。


その中でも異色だったのが…



「俺、インストラクター！！」


「海の仕事がしたい！ダイビング！」



ニカでも ちゃんとしたビジョンがあった。


ふわふわしてるのは、俺だけかよ… (;''∀'')ｱﾜﾜ…



「マズイ、マズイぞ… ニカでもあるのに… 」


「Aに夢を聞いてる場合じゃない、自分もちゃんと考えないと」



Aと一緒に夢を叶える。


でも、その核となる夢は 本人次第。



「辞めなくても プラスは考え… 」


「ん？」



ちょっと待て…



…



「確かに… 何かしないといけないなんて 誰が決めたんだ？？」


「… だよな… 別にいいよな？」




やれる体制…




本人次第だが…




これが プラスじゃん！！

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