幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・118 ページ20

◆ 太輔・side ◆

Aがやりたいことをやる体制。


それを軸に考えた方がいいな…



「木村さん、この辺の土地って、やっぱり します？」


「なんだ、いきなり？？」



いや、やっぱり 海近くがいいから…



「するぞ」


「ですよね」



いろいろ考えないと…


拓斗たちのこともあるし。



「まだまだ働かないとダメってことだな」


「おー、働け働け(＾ω＾)」



４５歳引退計画。そこを目指し頑張る。



「でも、その子が本当に大切なんだな」


「はい」



恥ずかしいけど 本当のこと。


Aがいるから 頑張れる。



「でも、意外。お前がそんなに一人の女に入れこむなんて」


「トゲトゲのお前はどこへ行った？」



トゲトゲって…


確かに昔はめちゃくちゃ尖っていたよな、懐かしい… (;^ω^)ﾊﾊｯ…



「人間は変わるんっすよ(*^▽^*)」


「よく言うよ、ちょび髭が」



なっ！？Σ(￣ロ￣lll)ｶﾞｰﾝ



「ちょび髭、酷い… (;_;)ｼｸｼｸ」


「太輔」



え…



ドキッ…



何… いきなり真剣な瞳…


あ！アドバイス？アドバイスか？？°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°ﾜｰｲ♪


やべぇ、ドキドキしてきた――！！



「… ま、頑張れ」


「ガクッ、何かアドバイスくださいよ――！！」



何もないのかーい！！(ﾉд-｡)ｸｽﾝ…



「お前は 大丈夫だよ」


「え？」



？？



「中居のようにはならない」


「え〜？なりたいですけど、俺」



魅力的な男に。



「そういう意味じゃねぇよ」


「彼女を樹みたいにしないってことだ」



あ…



「お前はわかったみたいだから、大丈夫だって言ったんだよ」


「だから 彼女の夢、叶えてやれよ」



ガチャ…



「木村さん！」


「ん？」



やっぱり、俺…



「ありがとうございました！」


「おう、じゃあな」



パタン。



「あなたみたいになります」


「本当にありがとうございました」




― 『 彼女を樹みたいにしない 』 ―




大丈夫。



「でも、木村さん… 木村さんは 間違ってますよ」


「中居さんは、そんな人じゃないです」



口は悪いが 超思いやりのある人なんだから。


だから、いつかきっと 樹さんを…



「って、ホントはわかってるんだよな、木村さんも」


「喧嘩するほど仲がいいって言うからさ」



大人の事情は、厄介。




でも、いつかは 皆 ハッピーエンド。




そう信じて 再度 夜の海を見つめた。

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