幾時の針・消えない物語【 ３ 】

時・109 ページ11

◆ 太輔・side ◆

お…



重い…



「ガヤ、おはよ〜 」


「いい所へ。持って」



後ろから声を掛けてきた玉。


でも、その顔は、すごぶる嫌そう…



「じゃあ、お前にはあげない」


「え？何々、持つ持つ！！」



現金な奴… (;^ω^)ﾔﾚﾔﾚ



「あ―――！！Aちゃんのお菓子だ―――！！」


「やったぁああ！！」



え！ちょ！！



「そのかばんは… 」


「うおぉ〜！！お弁当もある〜〜！！( *´艸｀)ｷｬ〜〜！！」



だから、それは 俺の…


ま、いっか。つか、もう食べてるし…



「旨い！！超ウマー！！」


「玉、独り占めすんなって！」



Aのスィーツは、あっという間になくなった(弁当は、俊君と玉の胃に消えた)



「あんなにあったのに… 」


「相変わらず 上手だよな、料理。マジ尊敬するわ」



渉でさえ感服するほど料理の腕はすごい。


ほとんどプロ。



「店やったら 儲かりそう」


「何言ってんだよ、家庭料理で店なんて」



ん？



いや、待てよ… ？


義理母の恵理子さんは、プロのパティシエ…


その娘もその血を受け継ぎ、プロ並みの腕前。



「イケると思う？」


「試してみれば？覆面パティシエ」



覆面パティシエ…



いやいや、そんなことはさせられない。



「え？注文したら 作ってくれるの？」


「だったら 俺、チーズケーキ頼みたい」



チーズケーキって…


北山彼女、無類のチーズケーキ好き。



「藤ヶ谷〜 頼むよ〜 お願い！！」


「自分で頼んだら？」



え？



何言ってんの… 渉？？



「あ、そっか！LINEしよ〜と！(*^▽^*)」


「お、おい！」



北山は、嬉しそうにLINE。急いでグループLINEを覗くと… マジでお願いしてる(-_-;)


するとそれを見ていた玉と俊君も入ってきて…



「こ、こら、お前たち！！こんなに注文して 誰が材料費払うと思ってんだ！！」


「え〜？だったら 金払う〜 」



何〜〜！！？？(＠_＠;)ｱﾜﾜ！？



「俺も〜！！」


「俺も〜〜( *´艸｀)」



… で、結局…



「スタッフ含め、合計、２０本… 」


「２万の売り上げだな」



手には 千円札の山。



LINEには、いろんなケーキの注文。



「Aちゃんは 何て？」


「『 頑張る！ 』って」



びっくりしたらしいが、嬉しかったらしい。




翌日 まずは、北山のチーズケーキを納品。




それを食べた北山の彼女…




その発言がとんでもないことに発展しだす。

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