幾時の針・消えない物語

時・30 ページ30

主のいないリビング。


ベルちゃんと二人で大画面のテレビの前に鎮座。



『結局、許したんだ、優しいね〜 Aちゃんは(玉森)』


「許したんじゃなくて わかってくれたんだってば」



今日は 珍しく玉ちゃんからリモートのお誘い。


暇を持て余している千ちゃんの付き合いらしい。



『でも、ごめん、したわけでしょう？(玉森)』


「それは… した」



でも、許す許さないじゃなくて…



『しかし、今回 めちゃくちゃ長くなかった？ケンカ(千賀)』


「あ、うん、３日もバトっちゃった(;^ω^)」



こんなに長くケンカしたの初めて。



『ガヤさんが折れた、ま、嫁は強しだね(千賀)』


『まだ 嫁じゃねぇーし！！(玉森)』



あはは…



玉ちゃん、まだ言ってる(;^ω^)ﾔﾚﾔﾚ…



『はいはい、でも、俺、ガヤさんが怖がるのわかるよ(千賀)』


『だって ガヤさんってクールに見えるけど実は熱いし、心配症じゃん(千賀)』



うん…



『玉だってわかるだろ？お前がライブで火傷した時、超心配してスタッフと一緒に病院探してたじゃん(千賀)』


『うん… ずっと 傍にいた、ガヤ… (:_;)ｼｭﾝ… (玉森)』



そうだったんだね…



『俺がコロナになったから 余計怖くなったんだよね、きっと(千賀)』


『だから 俺ん家にも来たよ、空気清浄機(千賀)』



え！？



『あ！俺にも来た！(玉森)』


「太輔、全員に贈ったのね… すご」



熱くて心配症の男・藤ヶ谷 太輔。



『コロナが治まったら 皆でハグしような(千賀)』


「する！！」



ギュッしたい！！



『Aちゃんしてくれるの？(玉森)』


「するよ〜！当たり前じゃ〜ん！」



思いっきり ギュッ！！



『それは、早く治めないと(￣ー￣)ﾆﾔﾘ(玉森)』


『お前、邪なこと考えてるだろ… 殺されるぞ、ガヤさんに(-_-;)ﾔﾚﾔﾚ… (千賀)』



そんな日が早く来てほしい。


大好きだよって 身体全身で伝えたい。



『早くコロナ終われ〜(千賀)』


『終わってくれ〜(玉森)』



でも、コロナは変異株も出始め 感染者数は拡大。




東京は、三度目の緊急事態宣言発動決定。




終わるどころか 増々大変な世の中になってしまった。




それでも 私たちは一緒にいることを選択。




日々緊張の連続だけど 二人でいれることに幸せを感じていた。




ただ、イチャラブ好きの彼は、最近変な趣味を持ち始めた。




それは 何かというと…

時・31→←時・29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す