幾時の針・消えない物語

時・22 ページ22

◆ 太輔・side ◆

いつもとは違う位置、俺の寝てる所で眠る彼女。


おまけに俺の枕をしっかり抱きしめ寝ていた。



ゴソゴソ…



「くぅ〜ん… 」


「ベル、お前がそっちに寝てたのか」



通りでこっちで寝てると思った。


Aの上を歩こうとするのを阻止。


ヒョイと抱き上げ、膝の上に乗せた。



「よく寝たか？」



ベルは、俺の顔をペロペロ。


でも、A同様、まだ眠いのか 俺の膝で大人しくなった。


ベルを撫でながら 静かな部屋をぐるりと見渡す…



「綺麗になってる… 」



綺麗好きな彼女…


彼女がいなかったら ゴミ屋敷だ。



「本当、ありがと… (ちゅ… )」



…



「ん… … 太〜？」


「ごめん、起こしたか？」



小さく首を振るA。



「独り占め… 終わっちゃう… ？」


「え？」



独り占め？



「お仕事 増えるんでしょう？」



ああ、そう言うことか…


毎日一緒いたから 仕事に行ったことで寂しくなったんだな。


だから 俺の場所で寝て…



「少しずつな、でも なかなか難しいみたいだ」


「業界でも増えてるって言うし… 」



実際、共演者で出ていると聞く。


俺もいつ何時なるか… だから、考えないとな… 今後のこと。



「じゃあ、まだ 一緒にいられる？」


「ああ、当たり前だろ、ずっとだよ」



にっこり嬉しそうに笑う彼女。


その笑顔にきゅんとした。



「それより、まだ寝るのか？メシ買って来たけど」


「え！ご飯！？あるの！？」



だから 買ってきたって(;^ω^)ﾔﾚﾔﾚ



「嬉しい！何も食べてなかったから！」


「え！？何も食べてない！？」



こら… (-_-メ)ﾒｯ！！



「あ、だって… 太輔のせいだもん！！」


「何で俺のせい？俺は食べろって言ってんだろうが！」



ムッとした顔。



「腰が痛くて出来なかったんだもん！」


「え… あー… 」



それは…



「掃除まではしたんだけどさ、疲れちゃって… なのにそんなに怒ることないじゃん！」


「太輔のバカ！！」



バサッ！！



やっちゃった…



「ごめん、ごめん、そうだよな、俺が悪い」


「無理させた、ごめん！！」



やりまくった俺が悪い。



「ほら、ご飯食べよ、な？A」


「あ！お前の好きなエビ！エビあるぞ！シュリンプ！」



ゴソッ…



「エビ？」


「こんなおっきなエビ！な？食べよ」



ゴソゴソと起きだした。



ふぅ〜、エビ 買って来てよかった〜(*^▽^*)ﾎｯ

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