2-18 ページ49
.
ここ数日、主に先輩からよく声をかけられる
この前は朝と放課後
でも放課後のは完全にわざとだ、石投げてたし
その次の日は、移動教室の時にすれ違った先輩がハンカチを落としたので拾ってあげた
「む、すまん。かたじけない」
やたら古風な言葉を返された
そして昼休み、一途さんが先生に呼び出され一人なので、久々に図書室に行ってみた
本を持って貸出カウンターに行くといつもと違う人が座っていた
「…あぁ、今日は図書委員の方が来られないとのことで、代わりに同じクラスの私が担当になりました。手続きしますね」
表情に出ていたのか丁寧に説明してくれた
手際が良いから、この人はよく代わりをするみたいだ
手続きが終わり、本を渡されながらまた来てくださいねと言われたので、軽くお辞儀をしてから図書室を出た
たぶん、先輩だよね…敬語だったけど
そして教室に戻る途中、ふと中庭を見るとお花に水をあげている人を見かけた
ズボンを履いているし、身長もあるから男子生徒だ
珍しいな、と思っているとその人と目が合った
そしてふわりと微笑まれ、同じ男子なのに綺麗だと思ってしまった
「前を見ていないと、ぶつかるぞ」
声が近くから聞こえたので反射的に足を止めると、目の前に人が立っていた
身長が高い、見上げてやっと顔が見えるくらいだ
『ぁ…すいません』
頭を下げつつ、この人の方が前が見えているのだろうかと疑問に思った
だって糸目なんだもの
「因みに、前は見えているぞ」
すれ違いざま、呟くように言われてまた足を止めた
声に出ていたかなと思いつつ振り返れば、少し笑ってその人は行ってしまった
…ノートを書きながら歩いたら危ないですよ
怒ってはいないみたいなのでそのまま教室に戻った
そしてついさっき
-ﾊﾞｱﾝｯ!
「誰か体操着貸してくれ！！」
扉を開いたまま固まる男子生徒
その男子生徒を見て固まるクラスメイト
時が止まったみたいだ
どうやら次の授業が体育なのに体操着を忘れたらしい
昼休みが終わるまで…後5分
『僕の貸すよ』
「マジ！？助かった〜」
誰も動かないから、僕は自分の体操着が入った袋を持ち上げて見せた
僕の所まで来たから渡すと男子生徒はニカッと笑った
「ありがとな、A！」
『ぇ…』
はっと気づいたときには、男子生徒が走って行った後だった
この後一途さんが帰ってきたけど、あの特徴的な髪型が頭から離れることはなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アリア - 黒楼さん» 仕事……確かに忙しいですよね。ちょっとずつ頑張っていきましょう (2018年8月5日 22時) (
レス) id: 669a2abbdb (このIDを非表示/違反報告)
黒楼(プロフ) - アリアさん» ちょっと仕事が忙しくなってますね…。でも少しずつ進めてるので、そのうちぅpします！ (2018年8月5日 20時) (レス) id: db04630d91 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - もしかして最近忙しい……？ (2018年8月5日 17時) (レス) id: 669a2abbdb (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 黒楼さん» あー、有りかも。一途さん物静かだけど実はヤンデレとかwww (2018年8月3日 16時) (レス) id: 669a2abbdb (このIDを非表示/違反報告)
黒楼(プロフ) - アリアさん» 目が死.んでますよ、それwいや、ヤンデレも有りか…？ (2018年8月3日 6時) (レス) id: db04630d91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒楼 | 作成日時：2017年4月11日 13時
