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どこに向かっているんだろう。
どうして何も言わないんだろう。
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聞きたいことはいっぱいあるけれど、何となく何も言えなくて、その背中をじっと見つめる。
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人をかき分け会場の隅にある裏道のような場所をずっと進んでいくと見えてきたのは大きな扉。
どういうことかわからなくて坊ちゃまの顔を見上げる。
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彼は、そんな私の困った顔を見てかフッと笑うと扉の持ち手に手をかけた。
ガチャっと音が響き、扉が開いて、ソファーの上に人影が見える。
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『……お母さん…！？』
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ソファーの上にいたのは暗い顔をした母。
驚きながらそばに駆け寄る。
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『どうしてここにいるの…？』
「A、……ごめんなさい！」
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入ってすぐ謝ってくる母親に戸惑いつつ、その震えた手を握る。
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「実は、北条が姫宮家に行くことになったのは私のせいなの」
『どういうこと？』
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突然の告白に頭が追いつかなくなりながら、母の話に耳を傾けた。
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「……私は元々北条の人間ではなくて、…旧姓は伏見。小さい頃から姫宮家にお仕えしている一族に生まれたの…。でも、今はもう亡くなってしまったあなたの父親と偶然出会って駆け落ち同然で家を飛び出した」
『…』
「それからはもう家族と連絡をとることもなかったのだけれど、この間姫宮にいる親戚から久しぶりに連絡がきて、 “ お嬢様にお仕えする人手が足りないから戻ってきてくれないか ” って言われてね」
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「もちろん姫宮家にも恩がある訳だし、最初は私一人で行く気だったんだけど…北条のみんなに相談したら全員で行こうという話になって、旦那さまも了承してくれて…」
「あなたに拒否権もなく連れて行ってしまってごめんなさい。本当は、あっちに行ってから元気が無くなっていたのは分かってたの」
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「……Aから、朱桜家での日常を奪ってしまって本当にごめんなさい」
．
涙を流しながら謝る母を抱きしめ、ゆっくりと背中をさする。
．
＊
更新遅くなってすみません！！
単純に忙しくなったのと今回の話を上手くまとめられなくて更新できませんでした(＞＜)
前よりペース落ちるとは思いますが絶対に完結させるので待っていてください！
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ゆずは(プロフ) - ごんすけさん» えーーー！！そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます！ありがとうございます（ ; ; ）更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします！！！！ (2022年10月13日 23時) (
レス) @page33 id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 尊いです好きですありがとうございます……(早口)本っ当に最高です……毎度毎度 泣きそうなくらいの尊みで息の根が止まります…(愛)作者様も作品も大好きです…泣 (2022年10月13日 13時) (レス) @page33 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ルナ（自称天才☆）さん» コメントありがとうございます！若干辛い展開かもしれないですが、最後はハッピーエンドなので楽しみにしておいて下さい〜！更新頑張ります！ (2022年9月8日 13時) (レス) id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ（自称天才☆）(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品とても素敵だと思います。この後の展開が待ち遠しいです！ぜひ更新頑張ってください、待ってます！ (2022年9月8日 0時) (レス) @page17 id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
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