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店員さん ページ11

.



「…ホットココアお願いします、」




大学の帰りにいつも立ち寄る喫茶店。
1年前、店員さんに一目惚れしてから行きつけお店。


店員さんの名前は名札で勝手に見ちゃったけど、中村さん。



いつもココア頼んでたら私のこと覚えてくれるかなあっていう淡い期待を抱いて、
注文するのはいつも決まってココア。
でもなにもアクションを起こせないからなにもないままだけど。



今日もいるかなって3日ぶりに来てみたけど今日は中村さんの姿はなかった。
店長のおじさんにココアを注文していつもの窓側の席に座って課題を進める。




2時間くらいたって課題は終わったけどやっぱり中村さんは来なかった。
次いつあえるのかな、なんて考えながらお店の外に出る。



『あれ?ココアさん?』



「え?」




誰の事?って思いながら声がした方を見ると中村さんが立っていた。




『あっ、ごめんごめん、いつもココア頼むから勝手に呼んでたの(笑)』



覚えてくれてたんだ…
私死んじゃう?っていうくらい心臓がドキドキして。
もう帰る?っていう中村さんにまたドキドキする。



「はい、帰ります…」



『そっか〜、今日バイト夜からだったんだよね、残念だ!」



残念?なにが?って心の中でつっこみながら
なんて返そうって悩んでたら



『明日なら夕方からいるよ?』



ってすっごい笑顔で言ってくる中村さん。



『おいしいココア作ってあげるからきて?絶対だよ?』



はい、約束の飴玉ねってサイダーの飴をひとつ
ポケットから取り出して私の手に握らせて
じゃあね!ってお店の中に入っちゃう中村さん。



…ずるいなあ。中村さん。



そう思いながら
私は明日もここに来る。




.



fin.

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作者名:いくらちゃん | 作成日時:2019年9月25日 16時

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