参拾陸 ※ ページ40
目が覚めるといつもと違う光景が目に入る。そっか、と腰に回された手を見て思い出す。時計をみると、秒針が12を回りちょうど5時半になったところだった。
7時間以上経っている。いつもより寝れたな〜と軽く伸びをして伏黒の方を向く。普段よりも至近距離で顔を眺めた。
睫毛なっが。肌も綺麗。本当に非の打ち所がなさすぎる。運動も勉強もできる。かっこよくていい匂いだし。そして何よりすごく優しい。髪の毛を撫でると、想像とは裏腹に柔らかいことに気付く。さらさらじゃん。なんでいつもあんなツンツンしてるんだろ。そう思いながら指で髪を梳く。
その瞬間、ゆっくりと伏黒が目を開いた。
『ごめん、起こしちゃったね』
ちょっと早いけど起きる？と背中を向けて、伏黒の掌をにぎにぎしながら訊ねる。
「もうちょっとだけ」
そう言って伏黒はAを抱き寄せた。寝ぼけているのだろうか。いつもと違う伏黒に少し狼狽える。
『なんか、今日の恵かわいいね』
「…るせぇ」
その瞬間、Aのお腹が鳴った。昨日は何も口にする気になれなかったけれど、伏黒の顔をみて抱いていた不安が少し軽くなったような気がするからだろう。
『朝ごはん食べない？』
「あとで」
『えー』
お腹空いた、とベッドから出ようとするも、しっかりホールドされてて起き上がれない。
『恵は朝ごはん何派？』
「ごはん…」
『お、一緒だ』
仕方がないので他愛もない話を続ける。だんだん彼の声が小さくなって力が弱まっていき、耳元で寝息が聞こえた。やっぱりまだ眠かったんだな。
そーっとベッドから抜け出し、自分の部屋に戻ってお米を炊飯器にセットする。寮とはいえ、流石に部屋の鍵を開けっ放しにしておくのは気が引ける。とりあえず急いでお味噌汁を作って戻ると、いつの間にか起きていた伏黒に抱きつかれる。おいおいどうした。なんか今日はやけにくっついてくるじゃん。
「…いなくなったかと思った」
『大丈夫、いなくならないよ』
昨日と立場が逆転している。私を気遣ってくれてたけれど、恵も同じように辛かったんだろう。
朝ごはん食べよ、と伏黒の手を取り自室へ向かう。早炊きでセットしておいたご飯はもうあと10分ほどで炊けるらしい。まだ少し寝ぼけ眼の伏黒を座らせて、だし巻き卵を作る。お味噌汁をお椀に注いだその時、丁度炊飯器がご飯が炊けた合図をくれる。少し早めの朝ごはんに手を合わせた。
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いくら(プロフ) - さらさん» さら様、コメントありがとうございます！そう仰っていただけて嬉しいです…励みになります…！更新再開のために文章を書き直しているため、終わり次第つづきのお話アップしていきますね◎ (11月21日 10時) (
レス) id: 9fd3faeaa3 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！このお話最高です！！今シーズン1から読ませて貰ってます！！恵くん、推しにはたまりません！！きゅんきゅんです！！続き楽しみにしてます！！更新頑張って下さいね！！ (11月21日 0時) (レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - ラブカですこんにちはさん» コメントありがとうございます。正解です◎お分かりいただけて嬉しいです…！ (2022年3月3日 3時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
ラブカですこんにちは - あの映画鑑賞の映画ってもしかしてLEONですか？ (2022年2月9日 14時) (レス) @page32 id: cc346bfde8 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 雫様、コメントありがとうございます！オチはまだ未定です！まだまだ続く予定なので、引き続きご覧頂けたら嬉しいです◎ (2021年4月9日 15時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いくら | 作成日時：2021年3月22日 11時
