参拾参 ページ37
五条にアドバイスを貰い、2年の先輩たちと釘崎、伏黒が集まってることを聞いて急いでグラウンドへ向かう。
すると、グラウンドで誰かが走っているのが見えた。野薔薇と、パンダ…?先輩って人間じゃないんだ?
『野薔薇ー!恵ー!』
走りながら2人に手を振る。
「あ、A」
「…大丈夫なのか?」
『うん、仕方ないよ』
悠仁のことだろうか。どう反応していいか分からずにそう答える。
仕方なくなんてない。仕方ないわけない。でも私にはどうすることもできなかった。助けるどころか一緒にすらいられなかった。でも悩んでいても意味ないし、今できることをやらなきゃ。もう誰も失わないように。
『花京院Aです。私に戦い方を教えて下さい。よろしくお願いします!』
先輩たちに挨拶をし、交流会のことを教えてもらった。そのためもあって、今ちょうど近接戦闘の訓練しているらしい。
「まずは私らから一本取れ。話はそれからだ」
禪院真希、と紹介された先輩はそう言った。
とにかくやるしかない、とすばやく間合いに入る。
相手の鎖骨辺り、肘の下辺りを握る。引きながら体を入れて軸足を踏み出す。真希の重心が傾き、刈足を振り上げる。いける。そう思った瞬間、引き寄せられて重心が後ろに崩れて体が浮いた。
いつもと違って下は地面。そりゃ痛いに決まってる。でもこんな痛みなんてどうでもよかった。
「A、お前格闘技かなんかやってたのか?」
『柔道と空手を少し』
とはいえ、授業で柔道があってその為に練習しただけである。まさか授業以外でも使うことになるとは。
空手の方はというと、虎杖の祖父に少し教えてもらったことがあった。
「へーまあ悪くはないがまだまだだな」
『頑張ります!』
褒められたのかは微妙だが嬉しい。
格闘技を色々やったことがあるらしい真希に、呪具についても教えてもらう。呪具は呪力がなくても使うことができるらしい。今日は呪具の代わりに棒を使って練習するそうだ。
軽い気持ちで真希から棒を受け取り、見様見真似でやってみる。全然駄目だ。簡単に振り回せるはずがなかった。
「Aはセンスないな。交流会まで一月半。ボサボサしてんなよ」
『頑張ります…』
向こうでは釘崎と伏黒がパンダに投げ飛ばされている。
虎杖悠仁が死んだ翌日。7月のよく晴れた日のことである。
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いくら(プロフ) - さらさん» さら様、コメントありがとうございます!そう仰っていただけて嬉しいです…励みになります…!更新再開のために文章を書き直しているため、終わり次第つづきのお話アップしていきますね◎ (11月21日 10時) (レス) id: 9fd3faeaa3 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!このお話最高です!!今シーズン1から読ませて貰ってます!!恵くん、推しにはたまりません!!きゅんきゅんです!!続き楽しみにしてます!!更新頑張って下さいね!! (11月21日 0時) (レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - ラブカですこんにちはさん» コメントありがとうございます。正解です◎お分かりいただけて嬉しいです…! (2022年3月3日 3時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
ラブカですこんにちは - あの映画鑑賞の映画ってもしかしてLEONですか? (2022年2月9日 14時) (レス) @page32 id: cc346bfde8 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 雫様、コメントありがとうございます!オチはまだ未定です!まだまだ続く予定なので、引き続きご覧頂けたら嬉しいです◎ (2021年4月9日 15時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いくら | 作成日時:2021年3月22日 11時