参拾弍 邁進 ページ36
五条はAに呪力コントロールのアドバイスをし、家入と伊地知のところへ戻った。
「もう始めるけど」
家入がそう言った途端に、横たわっていた虎杖が起き上がる。
「おわっ!!フルチンじゃん!!」
「ごごご五ご五条さん!!いいいいいい生き
伊地知は驚きすぎて舌が回っていない。五条も態度にこそでないもののびっくりしていた。ちらりと家入の方を見ると、少し残念がっている。でもよかった。本当に。
「悠仁!おかえり!!」
「オッス、ただいま!!」
「報告修正しないとね」
「このままでいい。記録上悠仁は死んだままにしてくれ」
また狙われる前に虎杖に最低限の力をつける時間が欲しい。交流会までには復学させる。
虎杖は近接戦闘に関しては頭一つ抜けていた。彼が今覚えるべきことは、(名前と)同様に呪力の制御の訓練だった。そして呪術に関する最低限の知識。
「強くなりたい。"最強"を教えてくれ」
真っ直ぐに五条をみて、Aと同じことを言う虎杖。幼馴染ってすごいなと感心させられる。
まずはじめに呪力と術式について、Aに説明した時よりも更に分かりやすく虎杖に説明する。
「悠仁は術式を使えない。だから悠仁の体術に呪力を上乗せするんだ」
そのうち君の体には宿儺の術式が刻まれる。この時五条はそう思っていた。
「下手な呪術よりもこういう基礎でゴリ押しされた方が怖いよ。さっきも言ったけど肉弾戦の才能はピカイチだからね」
ガッカリしている虎杖を鼓舞すると、俺もうできるぜと一言。そんな虎杖に、じゃあやってごらん、と自身の掌を指差した。
「ケガしても知んないよ」
そう言って虎杖が五条の掌に拳を入れる。案の定、その拳に呪力は篭っていなかった。
「皆わずかな感情の火種から呪力を捻出する訓練をしてるんだ。逆に大きく振れた時、呪力を無駄遣いしないようにね。Aと同じ方法で練習しよう」
「…やっぱり言っちゃだめかな」
「まだだめだね」
会いてえなあ…と虎杖は項垂れる。
Aが知ったら泣いて喜ぶだろうか。それとも怒るだろうか。どちらにしろ、今は内緒にしておくべきだ。伏黒と釘崎も含めて。
「さあ、悠仁にもコイツと映画鑑賞してもらうよ」
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いくら(プロフ) - さらさん» さら様、コメントありがとうございます!そう仰っていただけて嬉しいです…励みになります…!更新再開のために文章を書き直しているため、終わり次第つづきのお話アップしていきますね◎ (11月21日 10時) (レス) id: 9fd3faeaa3 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!このお話最高です!!今シーズン1から読ませて貰ってます!!恵くん、推しにはたまりません!!きゅんきゅんです!!続き楽しみにしてます!!更新頑張って下さいね!! (11月21日 0時) (レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - ラブカですこんにちはさん» コメントありがとうございます。正解です◎お分かりいただけて嬉しいです…! (2022年3月3日 3時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
ラブカですこんにちは - あの映画鑑賞の映画ってもしかしてLEONですか? (2022年2月9日 14時) (レス) @page32 id: cc346bfde8 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 雫様、コメントありがとうございます!オチはまだ未定です!まだまだ続く予定なので、引き続きご覧頂けたら嬉しいです◎ (2021年4月9日 15時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いくら | 作成日時:2021年3月22日 11時