虎杖悠仁の幼馴染【呪術廻戦】

弍拾玖　雨後 ページ33

「長生きしろよって…自分が死んでりゃ世話ないわよ…アンタ仲間が死ぬの初めて？」

「同級生は初めてだ」


昨日の任務で釘崎が病院に送り届けられた後、虎杖が死んだ。この目で直接みてはいないし、とても信じがたい話だった。けれど、伏黒の話を聞いて嘘じゃないことは分かる。

「ふーんその割に平気そうね」

「……オマエもな」

「当然でしょ。会って2週間やそこらよ。そんな男が死んで泣き喚く程チョロい女じゃないのよ」


歯が軋む音がする。


「…Aにも言いにいかなきゃいけないわよね」

「五条先生が伝えるって」


大丈夫だろうか。いや、大丈夫な訳がない。誰よりもあの子の方が一番辛いに決まってる、と釘崎は口を噤んだ。


「なんだいつにも増して辛気臭いな、お通夜かよ」

「真希、真希！まじで死んでるんですよ、昨日！！一年坊が一人！！」

「おかか！！」

「はやく言えや！これじゃ私が血も涙もねぇ鬼みてぇだろ！！」

「実際そんな感じだぞ！？」

「ツナマヨ」


突然来て目の前でギャーギャー騒ぐ3人。…2人と1頭か？


「何あの人？達」

「二年の先輩」


そう言って説明する伏黒。

呪具の扱いなら学生一の禪院先輩。
呪言師で語彙がおにぎりの具しかない狗巻先輩。
パンダ先輩。


「あと一人、乙骨先輩って唯一手放しで尊敬できる人がいるが今海外」

「アンタ パンダををパンダで済ませるつもりか」


いやパンダってなんだよパンダって。人間ですらねーじゃん。


「いやースマンな。喪中に。だがオマエ達に"京都姉妹校交流会"に出てほしくてな」

「京都姉妹校交流会ぃ？」


京都姉妹校交流会とは、京都にあるもうひとつの高専との交流会で2・3年メインのイベントである。しかし、今年は3年が停学中で人数不足。だから1年も出ろ、というわけを2年の先輩たちが話しにきたのだった。
東京校、京都校、それぞれの学長が提案した勝負方法を1日ずつ2日間かけて行う。ってもそれは建前で初日が団体戦、2日目が個人戦って毎年決まっているとのことだ。


「やるだろ？」

「仲間が死んだんだもんな」


「「やる」」



強くなるんだ。そのためならなんだって。

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