虎杖悠仁の幼馴染【呪術廻戦】

拾陸 ページ18

「それで、仮説ってなんですか？」

「結論から言うと毒の術式。多分だけど植物系かな。まあ憶測でしかないんだけどね」


伏黒の言葉に、Aと虎杖が理解できるように仮説を立てた根拠をゆっくり説明をはじめた。
すごい、本当に先生なんだ。ちょっと疑っててごめんなさい、とAは心の中で五条に謝る。



五条の説明は簡潔に述べるとこうだった。

花京院はあの"長屋王の末裔"だということ。

長屋王が理不尽な恨みを買い、家族と共に自害したとき(長屋王の変)に使ったのが毒であった。その時の生き残りの子供たちが、世代交代していく間に花京院へと名前を変えた。


「確かなんかの植物の名前の術を使ってたっぽくてさ、僕は実際に見たことはないんだけど」

「でもその術式を継いでいない可能性もありませんか？」


まだよく分かっていないAと虎杖を置いてけぼりにして、伏黒と五条が話を進めた。


「それは僕も考えたんだけどさ、どうやら花京院家には過去に術式を継いでない人がいなかったらしいんだよね」

「そんなことあるんですか」

「詳しいことは分からないんだけど、もし本当にそうなら花京院家の人間が少なかったことにも頷ける」


うーん、なるほどね…？


「とりあえず高専に来なよ。万が一、君が花京院家と関係がなかったとしても呪力はあるんだしさ」


実をいうとそのつもりではあった。この状況で虎杖と離れるなんて、Aには考えられなかった。


『分かりました』

「花京院家についてはまた僕の方で調べておくよ。分かり次第、また君に伝えるね」

「…てことはさ、一緒にいられるんだな俺たち」


それまで黙って聞いていた虎杖が、よかった〜と嬉しそうな顔をする。うん、本当によかった。


「さ、じゃあ今日中に荷物まとめておいで」

「？ どっかいくの？」

「東京」

「『東京！？』」


高専が東京にあるということは、伏黒と五条は東京から宮城まで来ていたということだ。


「オマエらはこれから俺と同じ呪術師の学校に転入するんだ」

「ちなみに一年生は君らと恵を含めて4人だよ」

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