拾参 ページ15
虎杖とAは一緒に病院に向かう。
気遣ってくれてるんだろうな、といつもより強く握られた左手をみながらAはそう思った。
泣くな。誰よりも辛いのは悠仁本人なんだから。大丈夫、死ぬわけない。悠仁も大丈夫って言ってたじゃん。信じなきゃ。必死に自分自身に言い聞かせる。大丈夫。なんかあったら私が守るんだ。辛いことは全部私が代わればいい。
よし、と頭の中を切り替える。
ノックして病室のドアを開けると、先輩である佐々木が井口が寝ているベッド際の椅子に座っていた。
「虎杖…A…」
「井口先輩、どんな具合っすか」
「大丈夫…ってお医者さんは言ってたけどまだ意識が戻ってないの」
私のせいなんだ、と泣く佐々木に、悪いのは先輩じゃないと虎杖とAは口を揃えた。
『ごめんなさい、見つけた私が悪いんです』
「や、それを拾った俺が悪い、ごめん」
『明日には井口先輩治せる人が来てくれるから…』
「悪ぃ先輩、俺ら行かなきゃ」
虎杖たちの言葉に、佐々木は何も聞かず弱々しく頷くだけだった。バイバイ、と佐々木と寝たままの井口に別れを告げて火葬場に向かったふたりは、祖父ともお別れをする。
「…行こう。五条先生と伏黒が待ってる」
差し出された虎杖の手を取って、五条と伏黒の元へ向かった。
「すまないね、そんな時に。で、どうするかは決まった？」
「宿儺が全部消えれば、呪いに殺される人も少しは減るかな」
「勿論」
「あの指まだある？」
ん、と五条が宿儺の指を渡す。
「改めて見ると気色悪いなあ」
そう言いつつも躊躇いなく指を飲み込んだ。
とてもじゃないが、美味しそうにはみえない。
「まっず。笑えてくるわ」
やっぱ不味いんだ。そりゃそうだよね、指だもん。
「"覚悟はできた"ってことでいいのかな？」
「全然。なんで俺が死刑なんだって思ってるよ」
でも呪いは放っとけねえ、宿儺は全部喰ってやる。あとは知らん、と真剣な眼差しで虎杖は話しを続ける。なんか、本当に大丈夫な気がしてきた。
「自分の死に様はもう決まってんだわ」
「いいね、君みたいなのは嫌いじゃない」
それから、と五条はAの方をみた。
「君に聞きたいことがある」
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いくら(プロフ) - さらさん» さら様、コメントありがとうございます！そう仰っていただけて嬉しいです…励みになります…！更新再開のために文章を書き直しているため、終わり次第つづきのお話アップしていきますね◎ (11月21日 10時) (
レス) id: 9fd3faeaa3 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！このお話最高です！！今シーズン1から読ませて貰ってます！！恵くん、推しにはたまりません！！きゅんきゅんです！！続き楽しみにしてます！！更新頑張って下さいね！！ (11月21日 0時) (レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - ラブカですこんにちはさん» コメントありがとうございます。正解です◎お分かりいただけて嬉しいです…！ (2022年3月3日 3時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
ラブカですこんにちは - あの映画鑑賞の映画ってもしかしてLEONですか？ (2022年2月9日 14時) (レス) @page32 id: cc346bfde8 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 雫様、コメントありがとうございます！オチはまだ未定です！まだまだ続く予定なので、引き続きご覧頂けたら嬉しいです◎ (2021年4月9日 15時) (レス) id: 71d8b0023a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いくら | 作成日時：2021年3月22日 11時
