虎杖悠仁の幼馴染【呪術廻戦】

拾　秘匿死刑 ページ12

Aと伏黒が目を覚ます少し前___



「おはよう。今の君はどっちなのかな？」


目が覚めると、目隠しをしたみるからに怪しい人物が目に入った。起き抜けの頭で、気を失う前のことを思い出そうとする。

　
「五条悟。呪術高専で一年を担任してる」


呪術…そういえば伏黒が先生って呼んでたっけな…
はっ！Aと先輩…！伏黒は！？


言った瞬間、自分の状況を理解する。四方八方にお札が貼りめぐらされている部屋のなかで、両手を後ろに椅子に縛り付けられている。なんだよコレ…

そう思ったとき、下される突然の死刑宣告。



"「君の秘匿死刑が決定した」"




死刑を言い渡された経緯を聞き、とりあえずAと先輩は無事だと聞いて一安心する。



「てなわけで改めて君死刑ね」



回想と展開があってねえ。
いやいや頑張ったんだよ、と五条は和かに告げた。


「死刑は死刑でも執行猶予がついた」


執行猶予…今すぐじゃねえってことか…

そして両面宿儺について一から説明を受ける。
五条は、虎杖が食べた指と同じようなものをポケットから取り出して壁に向かって投げる。投げた先ですごい音がして壁が凹んだ。
20本あるその指はとても強力な呪物で壊せない。だからそれを取り込んだ虎杖は半分呪いで、上層部は今すぐ虎杖を殺したいらしい。だけど、どうせ殺すなら全ての宿儺を取り込ませてから殺せばいいと楯突いたところ、了承したとのこと。



いやどのみち死刑なんかい。



心の中で思わずツッコミを入れる。五条は、君には今2つの選択肢があると続けた。



「今すぐ死ぬか 全ての宿儺を見つけ出し取り込んでから死ぬか」


虎杖にとって、それは選択肢なんてものではなかった。

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