1話 ━━━ 謎のイケメン ページ2
街を歩いていた。
とくに行く宛もなく、何かを探すように。
今思えば運命の導きだったのかもしれないとか思ってしまう。
余所見をしていた私は前方から来る人に気が付かず、ぶつかってしまう。
見上げるほどの高い背丈に、金の髪と碧色の瞳。マスクと帽子に眼鏡という重装備でもわかる。
かなりのイケメンだ。
イケメンにあまり良いイメージのない私は思わず身構えたが、降ってきた言葉は意外なもので
相手方も余所見をしていたらしく謝られた。
その見た目からわかるように、ハーフらしく
英国紳士のように背をかがめ手を差し出してきた。
そこで初めて目が合うと、彼は固まり私のことを「ここな」と呼んだ。
まじかる☆ここなだろうか。
よくアニメオタクの友達から似ていると言われるが、実感はない。
そんなに私は似ているのだろうかと思案していると、連絡先の交換をお願いされる。
悪いのは私も同じなのだが、彼は犬の耳が生えたかのように眉を下げてこちらを見つめている。
思わずうなづいてしまった。
ラビチャに表示される名前は六弥ナギ
どこかで聞いた気もするが、思い出せないということは興味が無いということ。
それならそれでいい。
67人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽむぽむぽあろ | 作成日時:2019年12月22日 3時