絶対に医者にさせたい先生VS絶対に結婚したいヒロインVS何も知らない男

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　遂に青筋を立てながら俺は彼女にギロッと睨みつけた。つまりなんだ。この女は付き合ってもない不死川と交際超えて結婚予定まで人生計画を進めているという事か。いや怖っ。

「俺、教え子を犯罪者にしたくねぇんだけど」
「私はどこをどうとっても善良な市民なので大丈夫です」
「どこをどうとっても危ねぇ奴なんだよ馬鹿野郎」
「辛辣！」

　さてどうするか。ここはもう死ぬ気でコイツを医者にさせねぇと俺の立場が危うい。というか医者になれよそんくらい学力持ってんならいけるだろ普通勘弁してくれよ。

「とりあえずゴールは不死川と結婚だとするじゃん？とりあえずな？」
「いえ不死川くんと結婚してからが私の人生の始まりです」
「めんどくせぇなコイツ」

　眉間に手を抑え、頑固過ぎるコイツをどう説得するか考える。あと普通に不死川がお気の毒だ。

「よし志崎。ここはひとつ俺と手を組もうや」
「嫌です！」
「はっ倒すぞ」
「手を組みます！」
「最初からそう言え。まずお前と不死川を俺の手によってくっつけさせる。なあに、俺の手にかかれば派手に余裕だ」
「付き合うんじゃなくて私は結婚したいです」
「ちょっと黙っててくれる？」
「ごめんなさい」
「そんで、その代わりにお前は不死川と結婚以外の夢を見つけろ」
「何故」
「交換条件だよ。お前どうせ結婚の事しか考えてねぇから不死川と付き合う方法とか分かってないんだろ？」
「不死川くんと喋った事ないです」
「馬鹿か何かかな？」
「まあでも不死川くんと話せるなら、その条件呑みましょう。でも私夢とか…何も無い。結婚以外」
「人生楽しそうだな。アレだよ、とりあえず適当でいいんだよ。医者とか医者とか医者とかでいいんだよ」
「先生医者しかないです」
「とにかくだ！お前は医者になる為に必死に勉強しろ！その分俺が恋愛についての知識をお前に投下してやる」
「そんな不純な動機で医者目指していいんですか」
「話した事ねえ男と結婚前提で話進めてるお前が不純を語るな」
「ごめんなさい」

　こうして絶対医者にさせたい宇髄天元ＶＳ絶対に結婚したい志崎Aとの交換条件が成立したのだった。後悔はしていない。
　まず今ここで言える言葉はただひとつ。不死川マジでごめん。

第2章 挨拶→←第1章 交換条件

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