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「……は?」
頬を少々赤らめて、俺と少し視線をずらした同棲中の彼女が呟いた言葉。
「……は?」
頭の中が真っ白になる。え、今なんて言った?コイツ初めての意味分かってんのか?え、まず初めてってなんだ、アレで正しいんだよな、え、アレってなんだ?
脳内が混乱して、さっき聞いた言葉を何度も頭の中で復唱する。初めて、初めてって言ったよなコイツ。
つまり、そういう事。俺はAの頬をそっと触り、ゆっくりと口を開いた。触れた瞬間彼女はビクッと反応して、赤く染まった頬はみるみる濃くなっていく。
「──────そういう事で、いいんだなァ?」
俺がそう伝えると彼女は逸らしていた視線を合わせて頷いた。あの眠たがりのAが、あの秒で睡眠の世界へ行くAが。その瞬間、何かがプツリと切れる音がした。実際そんな音は聞こえない、ただ自分だけが感じるモノ。
正座していた彼女を押し倒し、向かう合う形となった。そして先ず触れるだけのキスを落とす。そこから深いモノへと移り変わり、段々とお互いの吐息が漏れ始める。キスをしながら俺は器用に彼女の前ボタン式パジャマをひとつひとつ丁寧に開けていき、筋力0の華奢な鎖骨や腹が見え始めた。
「A…」
「な、なに」
「…俺だって…緊張してるからなァ。
─────────覚悟しとけよ」
彼女の返事を聞きもせず、今まで耐え抜いてきた俺の中の鎖は呆気なくも彼女の一言によって断ち切られてしまったのだった。
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怖くないと言えば嘘になる。だけどそれ以上に彼の全てを知りたい。こんな事を考えてしまうのは全て彼のせい。彼からの沢山の愛を受け止めたい。
「ん…っ、ふ」
自分からは想像出来ないくらい甘い吐息や声がだらしなく流れ、私の唇が彼のそれで水分をどんどん含む。彼は少し頬を赤らめて、余裕のない表情を浮かべながら私の下着のホックを外す。
「…可愛いなァ」
今してる行為に似つかわしくないくらい、にへらっと無邪気な笑顔を浮かべて彼は私の新調した下着を褒めてくれた。その笑顔が、私を壊していく。
「……下着だけ?」
「ンな訳ねェだろ、下着含めてお前の全部が可愛すぎらァ」
「ふふ」
お互い段々と余裕がなくなっていく。貴方に初めてを壊されると思うと震えが止まらなくなるのに、それすらも愛おしいと感じる。そして私のナカに熱が段々と篭っていく。
早く、早く私に不死川実弥という人間の全てを委ねて欲しいのだ。
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ポンコツ(プロフ) - すっごいドンピシャに好きな作品でした!! (2022年11月8日 18時) (レス) @page45 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!!次回作も楽しみにしています! (2021年3月9日 21時) (レス) id: 20f17d6d24 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - さねみんなら、一生お世話されたい!!楽しい作品だったぜィ(^^) (2021年3月9日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 完結おめでとう!!とにかく可愛らしくて勝手に2人の保護者面して見守っておりました…。ゆっくりと2人のペースで進んでる姿が本当に見えてきてこの先も笑い合っていくんだなって思うと本当に素敵な2人!最高なお話をありがとう!次回作もゆっくり頑張ってね!!! (2021年3月9日 20時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - もしゃこうさん» コメントありがとうございます!この作品を最後まで読んでくださり本当に嬉しいです、、!次回作も見てくださるんですか!?ええ嬉しい涙ありがとうございました、! (2021年3月9日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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