獣耳 ページ41
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グレープ味の薬を飲んだ冨岡は身体に異変を感じたのか少し眉をひそめた。無表情だから分かりにくいわ。
「耳が生えた」
「あっさり言うな」
なんとびっくり獣耳と尻尾が生えました。胡蝶さんは「実験成功ですね」と微笑んでる。微笑みの爆弾投下すな。アリガトウゴザイます!すな。
「ではAさんも飲んで下さい」
「いやいや惚れ薬って何」
「飲んだ瞬間目の前に現れた人の事がとてつもなく好きになります。私はご勘弁願いますので冨岡さんで我慢して下さい」
「心外」
やだやだ冨岡なんかに惚れるなんて絶対やだ。しかも何この赤色何で赤なの血とか入ってないよね大丈夫なのコレ、いやそもそも薬の時点で大丈夫じゃなかったわ。
「分かった。飲むから冨岡はやめよう」
「ですが此処に居るのは冨岡さんしかいませんよ」
「絶対自分は関わりたくないんだね泣きそう」
自分で作ったんなら自分で飲めばいいじゃん。そんで冨岡の事好きになればいいじゃん。絶対本人には言わないけど。
「でしたら不死川さんをお呼びしましょうか」
赤い液体をじっと見つめる事数分。この液体と仲良くなれる気配がしない。ぴえん。
「呼びましょうか?」
「いや…流石に迷惑かかるし」
「俺が相手じゃ駄目なのか」
「帰れ人外」
"心外!"と言わんばかりの表情で冨岡は私の顔を見つめていた。見つめるな獣耳馬鹿野郎。
「貴方が不死川さんを頼らないなんて珍しいですね」
「珍しいのは惚れ薬を作った胡蝶さんの方だよ」
「伊黒さんに頼まれまして」
「ちょっとネチネチ蛇マスク呼んでこい」
じゃあアイツが毒味したらいいじゃん。てか何頼んでんだよあの男。下心丸出しかよ。そんな事しなくても甘露寺さんは貴方に夢中だ馬鹿野郎。
間とって宇髄にするか?いや宇髄を好きになったら周りの宇髄ファンからの仕返しが怖い。
じゃあ煉獄?いや煉獄も結構モテるんだよな。というか煉獄を追いかけ回す自分を見たくない。
伊黒は甘露寺さんが居るから論外、悲鳴嶼先生は?いや先生じゃん。残るは。
「あ、アオイが居るじゃん」
中等部まで行ってアオイの目の前で飲めばいいじゃん。え、私って天才?
「胡蝶さんアオイ呼んでくる」
「あら妹さんにしたんですか」
「一番敵策でしょ」
アオイを此処に呼ぶ為私は冨岡に赤い液体を預けた。そして部屋を出ようとした瞬間、
「あ」
冨岡の間抜けな声と共に頭上から赤い液体が落下するのを視界に捉えた。あ〜イチゴ味だ〜。
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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