勘違 ページ36
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「オイA」
「いえす宇髄」
「…これのどこが彼氏だ?」
「いやーおっかしいなあ場所間違えたのかなあ」
リビングの扉を開けてすぐ。視界に捉えたモノは勉強を教えるアオイとおっとりした顔の女の子と額に傷のある赤髪の男の子。そしてヒィヒィ叫ぶ金髪の男の子にひたすらパンを食べてる黒髪の女の子。そして、叫ぶ青髪の美少年。
「ド派手に健全の塊じゃねぇか!」
「ド派手にそういうオチ」
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家に着いて早々アオイが私の所に小走りで駆け寄って事情を説明し始めた。
まず中高一貫校なので中3で既に高1の内容を勉強しているアオイ達は、勉強が苦手な我妻君と嘴平君の為に勉強会を開いたらしい。
そしてアオイ、栗花落さん、竈門君の3人で教えていた。アオイの家で。あの黒髪の子は1個下で竈門君の妹。つまり私が鉢合わせたあの時は他の人達がまた到着してなく、アオイと嘴平君で先に勉強を始めていたという状況だった。つまり。
「私のド派手な勘違いって事になりますね兄貴」
「ド派手に勘違いしてんじゃねぇよポンコツ姉貴」
盛大に溜息をつく宇髄と、頭をガシガシかきながら「俺の言った通りじゃねェかァ」と言うさねみん。いやまさかのお母ちゃんの意見が正しかったって何事?
「まァ、一件落着だなァ」
「お騒がせさせてもろて」
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"つまんねぇ!"とブーイングをしながら宇髄は帰っていき、何故かさねみんと2人きりになったこの状況。
さねみんも帰ると思いきや"せっかくだし勉強教えてやろうかァ"と言って私の部屋に入り込み数学の参考書を開いたこの状況。
「いや勘弁してもろて」
「受験生の限られた時間を奪った罰だ」
「いや申し訳なさ過ぎて」
渋々参考書を開いて逃げていた空間ベクトルの応用問題をさねみんに教えてもらう。初めこそ渋々だったが教えてもらう内にかなり集中していき、やはり××大学を目指すにはこれくらい優に解かないといけないなと心は思い知らされていく。
「……なァ、A」
「んー」
そんな中、さねみんが急に口を開いた。目線の先は変わらず数学の問題。顔は上げずにシャーペンを動かしたまま彼に乾いた返事をした。
「もしあの青髪の餓鬼が本当に妹と付き合ってたらどうしてたんだァ」
「……え?」
思わず、顔を上げる。その目は冗談な感じではなく真っ直ぐな目付きで私を見つめていた。
「いや、まぁ…応援、するよ」
「ふーん、そうかァ」
曖昧な返答と共に私は目線を外す。
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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