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成敗 ページ35

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「私の妹を彼女にしておきながら遊び?もう既にちゅっちゅっちゅしてるのに遊び?いやいやなめてんなぁオイ」
「落ち着けA、ちゅっちゅっちゅはただのお前の妄想だ」

 ついに怒りの頂点に達したのかAはその場に立ち上がった。そして宇髄に自身の人差し指を向けて珍しく声を荒らげる。

「そんな輩、私が成敗してくれるわ」
「握力10の非力ガールが派手に何を言う」
「…そんな輩、私のさねみんが成敗してくれるわ」
「俺を使うなァ」

 そう俺がツッコむと彼女は「とにかく!」と言い張り、空になったホットコーヒーのカップを片手に俺達の方に顔を向けた。

「とにかく今から家に帰ってその美少年を追放してやるわ…!さねみんが!」
「いやだから自分でやれよ」

 そうツッコミを入れ、俺は飲み干したカップと彼女のホットコーヒーのカップを持ちゴミ箱へ捨てに行った。席に戻ると宇髄が「甘すぎ、やるわコレ」と言って自分の頼んだチョコまみれの新作を俺に譲ってくれた。最初から甘さ控えめの頼めばいいのにこの野郎。

 ─────まァ、余裕で飲めるけど。

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「インターホン押した方がいいかな?」
「いや自分家だろ」
「え、服変じゃない?挨拶とかするべき?姉ですって言った方がいい?」
「めちゃくちゃ仲良くなろうとしてんじゃん」

 さっきまでの威勢はどこに行ったんだって言うレベルで緊張しながら身体をガタガタと震わせている彼女。
 今、俺と宇髄と3人でAの家のマンションの部屋の前で居る。何故か自宅なのに入る勇気がない彼女はここ数分ずっとウダウダ宇髄に話しかけて時間を潰していた。

「やーー見たくなーいお姉ちゃん見たくなーい」
「じゃあド派手に俺と不死川で見てくるからお前だけ此処に居ればいいじゃん」
「いや此処私の家」

 とうとう痺れを切らした宇髄がAの家のドアを開けた。「派手に腹くくれよA!おじゃまします!」と言ってズカズカと中へ入り込んで行く。やっぱアイツ勇者だな。

「あ"あ"宇髄が!…よし、かまして行こう。さねみんが」
「だから俺に任すなァ」

 Aが1人で行くのが不安なのか俺の手を握ったまま恐る恐るリビングの方へ入り込んで行く。俺の気持ちも知らないまま勝手に手なんか握りやがって。彼女にバレないように小さく溜息をついた。
 そして半開きのリビングの扉を開ける前にその場に固まる。何やらガヤガヤと声が聞こえる。


「…これ、1人じゃなくね?」
「いやそれな」


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勘違→←彼氏



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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年2月15日 17時

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