課題 ページ10
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「あああ!!派手にヤバいぞ不死川!数学の課題やるの忘れてた!頼む写させてくれ!」
昼食時に宇髄が騒ぎながら俺の席へ走って来た。俺は「…仕方ねェなァ、次は自分で解けよ」と言って課題プリントを宇髄に渡す。
「さんきゅ不死川!後でいちごオレ奢るわ!」
「絶対だぞォ」
そう言って俺のプリントを片手に宇髄は自分の席へ戻って行った。チラ、と小さ過ぎるおにぎりを食べているAに目を向ける。
「Aはちゃんとやって来たのかよ、課題」
「んー」
もっこもっこと頬張りながら机の中を漁りクリアファイルの中から解答済のプリントを取り出した。
「お前って面倒くさがり屋の癖に課題とか遅刻とかはしねェよなァ」
「まぁ
「妹が管理してくれてんのかよ」
「課題やったかどうかは毎日聞かれるし、朝も目覚まし4個置いてるのにいつも起こしてもらってる」
「もはや妹の域を超えてるなァ」
「その通り」
そう言ってAはプリントを机の中に終い、残りのおにぎりを食い始めた。
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「さねみんもさー」
昼食が終わり昼休み。特にする事もなく席でAと中身のない会話をしていると急に話の内容が切り替わった。
「何だよ」
「アオイ並に世話焼きだよねーって話」
「はァ?」
「兄弟多いじゃん、料理とかするの?」
確かに俺は下に6人居る、
「まァ休日は下の面倒見なきゃならねェからな、料理くらいは普通にするだろ」
「へー、洗い物とかは?」
「料理するんだから普通セットでするだろ」
「ほー、掃除とかは?」
「1番下が小せェからなァ、掃除の回数も増えたわァ」
「…成程ねぇー、うんうん」
顔を縦に振って妙に納得した様子の彼女を俺は不審な目で見つめてしまう。
「さねみん」
「…何だよ」
フッと笑ってAは俺の手を握る。思わず俺は顔を赤く染めてしまうがこれは不可抗力だ。断じて意識したとかそんなんじゃない。
「そんなさねみんに良い嫁ぎ先が」
「帰れ」
───前言撤回、俺のトキメキを返せ。
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午後イチの数学の授業が終わり休み時間。顔を突っ伏して眠っている彼女の頭を叩いて起こす。学校でこんなに寝てて家でも寝れんのか?いや実は誰も見ていない所では意外と真面目にしてるのかもしれない
「オイA、起きろ」
「…お金ないです」
「ふざけんな」
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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