トイレットペーパーを隠した【土方十四郎】

はいよしか言わない ページ18

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「あ」
「お」

　とある平日の昼間。良い天気に恵まれた青空の下で万事屋、坂田銀時は団子を片手に日向ぼっこを楽しんでいた。そんな所に通りすがった一人の女を目撃し、思わず声を漏らす。すると向こうの女も銀時の存在に気付いたのか、同じく間抜けな声を漏らしていた。
　彼女の名は土方A。かの有名なあの真選組副長、土方十四郎の妻だ。何かと縁がある真選組だったが、土方の嫁の存在を知ったのは割と最近である。しかしあの鬼の副長の嫁とは思えないほどの脳天気な性格の為、意外と銀時と馬が合いよく甘味処で団子を頬張っている二人を見掛けると見廻りサボり中の沖田総悟が後にほざいていた。そして土方は両方にキレた。

「何、今日は役職守ってんの？」
「屯所が糞まみれになるのも勘弁もんなのでね」
「そーかい」

　彼女の両手には大量のトイレットペーパーが入った大袋。その袋をよっこいしょと地面に置き、銀時の隣に腰を下ろした。

「みたらし三つ」
「はいよ」
「俺も三つ追加で。お代はこの女持ちで」
「はいよ」
「はいよじゃねえよクソジジイ」
「はいよ」

　彼女は「お代は土方十四郎持ちで」と言い直した。熱い煎茶を啜り、空を見上げるその横顔は美人と言ってもおかしくはない。しかし性格に難アリとはこのこと。

「マヨネーズにお代任せていいのかよ」
「私にたかる天パが何を言う」
「俺はいーの」
「私今トイレットペーパーしか持ってない」
「全財産トイレットペーパーに使う女がどこにいンだよ」
「いねえよなあ！？！？」
「それ違う作品」

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